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	<title>tayura082&#039;s Novel</title>
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	<description>ここにサブタイトルが入ります</description>
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		<title>2</title>

		<description>神であるが故に人を好きになることなど許…</description>
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			<![CDATA[ 神であるが故に人を好きになることなど許されない。
現実に肉体を持っていたとしても、これは仮の姿。頭では理解しようと思っていてもきっかけがあれば、好きになってしまう。
相手が人であろうと。そして主であろうと。

俺は初期刀では無く鍛刀で顕現した。
主の初期刀は歌仙兼定。
新撰組ファンだと言うのに俺を選んでくれなくて、主への忠誠の気持ちが空回り始める。
主とすれ違いの日々が続き、時の政府から俺を刀解する命を出される。
主の真意を知り、自ら刀解の炉に飛び込んだが己を顧みず燃え尽きる寸前の俺を素手で救い出してくれた。
心を動かすなと言う方が無理な話だ。
でも、それは許される事では無い。

「清光ちょっと来てくれる？」
「どうした？」
「庭に花を植えたいの。」
「わかった。ちょっと待ってて。」
髪を結い直して主の元へ向かう。
「おまたせ。で、なんの花を植え直すの？」
「それは見てのお楽しみ！」
コロコロと主が笑う。
「ふーん、赤い花だったらなんでも良いんだけどね。」
「清光の色だから？」
「そう、そしたら遠征に行っても出陣に行っても主は寂しくないじゃん。」
「そっか、でも赤じゃないんだよ。」
「違うの？！やる気が失せた。」
「でも素敵なんだよ。」
主が目を輝かせて語る。
本当はどんな花でも良かった。
こうやって2人で過ごすことができるなら。
「ほら、見て！」
白い花だった。でも見た目が
「これって椿？」
「そう、夏ツバキ。
赤い椿の中にいる清光も素敵だけど、白い椿に囲まれている清光も素敵だと思ったの。」
「じゃあ、1年中本丸に居なくちゃダメだね。」
「そうそう、出陣してもすぐに帰って来ないと花も寂しがるからね。」
「主は？寂しくないの？」
「もちろん寂しいよ。」
「主。探したぞ。」
「あ、山姥切国広。どうしたの？」
「博多が呼んでいた。」
「分かった。じゃ、植え替えは戻ってきてからね。」
ひらひらと手を振り主は博多の部屋へ向かう。
山姥切国広がこちらを睨んでいる。
「どうかした？」
「俺は主を尊敬している。」
「いきなりどうした？」
「加州清光、お前の主に対しての気持ちは分かるが、それはこの世界ではタブーになる。」
「･･･」
「だから主を惑わせるのを辞めてくれないか？」
「別に惑わしちゃいないけどね。」
「なら、少し距離を置くといい。」
「もしかして嫉妬？」
「･･･俺は嫉妬などしていない。」
「主は本当に優しいからね。その心に触れて好きになったとしてもしょうがないんじゃない？」
「違う！」
「そういう事にしておくよ。ところで山姥切国広も花の植え替え手伝ってくれる？
主と2人じゃなかなか終わりそうに無いからね。」
「･･･分かった。」
「おや、加州君じゃないか。」
「燭台切。アンタも手伝ってくれる？」
「花の植え替えかい？おや、椿だね。」
「夏ツバキとか言っていたよ。」
「主は余程本丸が大事なんだろうね。」
「それはどういう事だ。」
「椿は縁起が悪いんじゃ無かったのか？」
「ああ、打首の話だね。もしそうだったら、主は庭に椿をこんなにも植えてはいないよ。」
「他に意味があるの？」
「花弁が纏めて散ることから、家族や共にあるものの絆が深いと言う意味があるらしいよ。」
「だからこんなにも」主は椿を愛しているのか。
「主は俺達を家族だと思い、椿を植えてくれているのか…」
「おや、まんばちゃんどうしたの？」
「…」
「何も言わずに行っちゃったね。」
「でも、主は夏ツバキの意味までは知らないようだね。」
「何か不吉なのか？」
「愛らしい人と言う花言葉だけどね。沙羅双樹の花の色。平家物語の花と言われてるんだよ。」
「盛者必衰の理をあらはす。か、滅びの前兆だと言いたいの？」
「この本丸は時の政府から警戒されている。
主が君を選んでから。」
「あれは、俺を選んだんじゃない。」
「そう思っているのは案外君だけかもね。」
「…神の名を持つ俺達が人を好きになってはいけない事だから。」
だから、心を殺す。
そんな事が起きてしまったら、この本丸は完全に壊されてしまうだろう。
向こうに主の姿が見えたので軽く手を振る。
笑顔で力いっぱい振り返す主が俺は愛おしかった。

「うん、これで終わりだね。」
夏ツバキを全て植え替えた。
「うん、後は桑名江がくれたこの肥料あげておこ？」
パラパラと撒いてる主に問いかけた。
「主、この花が平家物語の」
「沙羅双樹の花でしょ？」
「知ってたんだね。」
「平家物語の最後知ってる？」
「壇ノ浦の戦いでしょ？」
「女子供が皆で海に身投げしたんだって。」
「遺恨を残さずに全員倒す、というのが源氏方の戦法だったみたいだからね。」
「それだったら、親子一緒に散る事を選んだその気持ちはとても尊いと感じたの。」
「それって椿と同じでしょ？
私は生きてる時も死ぬ時も共に居たいと思ったの。」
「本当に尊い存在は主だよ。」
「えっ？！わたし？」
「そうだね。僕達にとってかけがえのない存在だよ。」
「やめて、照れるから…」
照れてる主が可愛くて俺達は笑った。

寝苦しくて目が覚めたので、庭に出る。
そこには山姥切国広がいた。
彼は美しいと思う。夏ツバキの中で彼はとても美しいと思えた。
「案外、この椿は山姥切国広の為にあるのかも知れないね？」
ゆっくりとこちらを向き
「なぜそう思う？鶴丸国永の方が映えるのでは無いか？」
と、否定した。
「いや、明らかに加州清光。お前の方が映えるだろう。鶴丸国永は、返り血で自身を鶴だと言っているが、この見事な夏ツバキにお前が居るだけで華やかになる。」
「そう言われると嬉しいかな？」
「俺達は似ているね。」
「そうか？俺は真逆だと思うが。」
「反対だから似るところもあるんだと思うよ。だって、俺達だけは主を特別な感情で見ているから。」
「…俺は違う。」
「そういう事にしていてもいいよ。」
そうして山姥切国広は主を避け始める。
俺も避けた方がいい。そう思っていても。
「主、そろそろ火傷の跡を整形した方がいいんじゃない？」
「…やっぱり醜いかな？」
「そんな事はないよ。主はそのままでも可愛いから。」
「これは名誉の勲章だから、もう少し。」
「俺が辛い。主は綺麗な肌をしていたのに…」
「分かった。清光が思い出して辛いなら仕方ないよね。整形してくる。」
「違う！そういう意味じゃない！！
俺は主に可愛くなってもらいたいだけだ。
現実世界で好奇の目で見られるかも知れないのが耐えられないんだ！」
「私は気にしないよ？どんな目で見られても。
清光さえちゃんと見てくれるなら、全然平気。」
泣きそうだった。俺でも可愛くなれるように気にしているのに、主が気にならないはずがない。
主を抱き締める。
「清光、苦しいよぉ。
あのね、私は清光をちゃんと助けられた跡だと思っているから消したくないんだよ。」
もう充分我慢しできたつもりがこの言葉で俺は抑えられなくなった。
主の肩を持ち、正面から見据える。
「火傷の跡なんて気にならないくらい可愛いよ。」
主に口付けを落とす。
初めは軽く、続いて深く主を求める。
主も俺の全てを受け止めてくれた。

それから、俺が主の恋刀だと本丸に知られてくる。
みなの反応は意外と。
「まだヤッてなかったとは驚きだ！」
「下品な事を言うものではありません。お互い慈しみ合う心がやっと通じたんですよ。」
まだだったのか？！
と言う意見が殆どだった。
ただ、山姥切国広だけが反対して俺と主を避け続けた。
「万が一の事が起きた。貴様がこれから始まる悲劇の、生みの親だぞ。」
そうは言われるが時の政府にバレなければ何も起こることはない。
もし、バレたとしても俺が守る。
主さえ生きていてくれれば俺は幸せだった。
幸せは長くは続かなかった。

「本日でこの本丸を封鎖します。」
そう告げる。
幸せが永遠に続くように願ったけれど、そんなに上手く世界は回ってくれない。
幸せな始まりがあれば悲しい終わりも必ず来る。
「主よ、どうしてか聞いてもよいか？」
宗近が尋ねる。
「私は事実しか伝えられません。」
「ふむ、そうなると我らの身柄が気になる所だが。」
「しばらくは特命調査員として、あちこちの本丸に派遣されると思います。
適応しない刀剣男子は政府が面倒を見てくれると思います。」
清光は何も言わない。お願いだから何も言わないで。
「なんでいきなり本丸を封鎖するんだよ？」
言うことが出来ればどれだけ楽になれるだろうか？
真実は伝えずに簡潔に偽る。
「結婚、する事になりました。」
「え？！」
皆が固まる。そりゃそうだろうね。
いつもずっと2人で寄り添ってたのを見てきたんだから。
清光の顔はまだちゃんと見れない。
「現実世界で私を受け入れてくれる人を見つけたんです…」
「これからはその人と共に、生きていきます。」
これ以上話すと泣いてしまうので、話は切り上げて部屋に戻る。
ひとしきり泣いて、落ち着いたら本丸の自分の部屋を片付け始める。
「主よ。」
勘のいい近侍が話しかける。
「何事があったのだ？このジジイだけにでも話してはくれぬか？」
宗近からは逃げれそうに無いと諦める。
「あのね、子供が出来たの…」
「なんと、まさか神との間に子をもうけたのか？」
「うん、私もまさかこんな事になるとは思わなかった…。
政府はこの本丸の廃止と子供を要求して来たわ。
私は今日から行方をくらます。
三日月、皆の事をよろしく頼んでもいい？」
「主！話は聞かせてもらった。」
「山姥切…」
「主と共に現世へ行っても良いか？」
「加州が行けば、政府が動く。
俺なら。」
「それはいかん。それでも主が更に気に止められてしまう。」
「では、主の子に危害が加わった時に誰が助けると言うのだ。」
「山姥切、ちゃんと対策は立てているから。」
「それでも、俺は主と腹のやや子を守りたいのだ！」
「ごめんなさい。じゃあ、1つお願いしてもいい？」
「なんだ？」
「山姥切はこの本丸に残って、私からの連絡を皆に伝える役目をしてもらってもいい？」
「子供も大事だけど、あなた達も清光も大事だから…」
「あいわかった、このジジイも引き受けるとしよう。
1人では寂しくてならんだろうからな。」
「宗近…」
「2人ともお願いね。」
涙が出てきた。私は自分の事でいっぱいになっていて、その時に部屋の外に誰かいるなんて思いもしなかった。

出産を終えると、私は働く為に整形を覚悟した。
火傷の跡は消したくは無かったけど、そんなに目立つ特徴を残すのも危ない。
それと顔を変えた。
愛しい人にいつでも会えるように。
定期的に山姥切と宗近が会いに来てくれる。
だが知ってしまった。
どちらかが裏切り者だと言う事を。
引っ越しを繰り返しても、時の政府に居場所が知れてしまう。
もう逃げられないと覚悟した。
その時にあの人がやってきた。

「主！」
「清光…？」
「その顔はどうしたの？」
「…鏡の中だけででも貴方に会いたかったから。」
「いや、そんな事はどうでもいい、会いたかった！」
私は思い切り抱き締められる。
「その子が俺の子なのか？」
「え？なんで…。」
「君が去ったあの日、俺は外で話を聞いていた。」
「そう、だったの…」
清光が子供を抱こうとする、が私は取り上げた。
「私はもう結婚したの。その人の姉が審神者だったらしくて、事情を理解してくれてる。
私もこの子も貴方の物じゃない。」
「それよりどうしてこの場所が分かったの？」
「あの本丸は今も三日月が主の代行として機能している。そして俺が修行に出るとここに送られた。」
「修行場所がここなの？」
「どうやらそうらしい。」
「そっか、納得したし決断出来た。」
「あの本丸の今の主はこの子なのね。だから清光は元主である私の所に送られた。」
「主が変わった、のか？」
そして、私も完全に過去形にならないと。
「清光？」
「何？」
「私がこれ以上生きていれば、この子と2人分の霊基でまた見つかってしまう。
貴方も皆も大事だけど、この子も大事なの。」
「何を言ってる…」
「母親は子供の為になら、鬼にもなれるんだよ。」
皆愛してる。そう伝えた後清光の刀で首を切った。
「あるじ、主！主！！」
微かに清光の声が聞こえる。泣かしちゃったね。
ごめんね、清光。あいしてる。

これが加州清光と主の恋物語。
修行から戻ってきた加州清光はほぼ正気を失って、十数年の間蔵で暮らす生活が続いた。
その間に本丸の刀剣男子達は次々と派遣されていく。
だが、俺は加州清光を見届ける役目を引き受けた。
ある日、本丸が少し騒がしくなり、我らは使命を果たすべく庭を歩く。
「夏ツバキ全部咲いたんだね…そんな季節なんだ。」
「加州、正気に戻っておったのか？」
「愛らしい人、儚い美しさ。
共に、君と共に。」 ]]>
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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-06-06T21:58:43+09:00</dc:date>
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		<title>1</title>

		<description>ある日、時の政府という名の差出人から封…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ある日、時の政府という名の差出人から封書が届いた。
なんでも私が審神者の適合者だという合格通知だった。
詳しい説明を見てみる。
日本刀や槍薙刀の付喪神を、歴史修繕主義者とやらが歴史の改竄を防ぐ為に付喪神を派遣していく。
ざっくり言えばそういう事だった。
これって、刀剣乱舞のゲームそのものなんだけどどういう事？
実際にゲーム中で刀剣男子のレベルを上げて時間遡行軍と戦っているのだけれど。
本当に同じ事をするの？
「やばっ。」
私が世界を守れるなら喜んで引き受ける。
待ちに待った2.5次元にいけるんだから。
高揚感があった。ゲームや漫画の中に自分が行ける、そして実際に守る事が出来るんだ。喜んで引き受けた。

元々、母が幼い頃に亡くなりずっと父子家庭だった。
中学に入った時に父親が再婚し、新しい母とはそりが合わず次第に引きこもりに。
学校にも行かずにいわゆるニートと言う存在だ。
それが素質があったと選ばれたんだ！
「それで、どうすればいいんですか？」
「初期刀と先ずは鍛刀をして下さい。」
「初期刀って5振りの中から選ぶんじゃないの？」
「ゲームと一緒にされては困ります。貴方に最適の初期刀はもう決まっております。」
「そうなんだ。まぁいいけど。」
「山姥切国広だ。君が、そうか新しい主になるのだな。」
「へぇまんばちゃんが初期刀か！よろしくね。うわぁ、近くで見てもやっぱり綺麗だなぁ。」
まんばちゃんは私の顔をまじまじと見つめた。
「どうかした？」
「いや、似てるなと思っただけだ。」
「誰に？」
「昔の主だ。」
「え？私が初めての主じゃないの？話が違うよー。」
どうせなら1から本丸を作っていきたいのに。
「だから、ゲームと同じにされては困ります。
貴方様には、山姥切国広と一緒に先ずこの本丸の後片付けをしてもらいたいと思います。」
「後片付け？」
「そこここに散らばっている残党を先ずは狩ってもらわなければいけません。
その為に1人でも多く鍛刀をしていただきたく存じます。」
「それでは、詳しい話は山姥切国広から聞いてください。私はこれで。」
こんのすけは消えた。
このだだっ広い本丸を片付けろだなんて、ゲームには無かった。
「･･･片付けって昔から苦手なんだけどな。」
「片付けるのは俺と新たな刀剣がする。主は見ているだけでいい。」
「そうなの？じゃあ任せようかな？」
何となく嫌な予感は始めの頃からしてた。
でもこんな事になってしまうなんて思ってもいなかった。

「大倶利伽羅！左！」
「任せろ。」
「主、もっと下がっていろ！」
「うん。」
私達は本丸で戦闘している。
相手は時間遡行軍なんかではなく。
「なんのっ！皮一枚です！」
前田藤四郎。刀剣男子だ。
鍛刀部屋に行き、鍛刀を始めるとまんばちゃんは身を隠す場所を探した。
そして、ここなら誰も来ないとある部屋に入った。
そこで出会ったのは。
「よっ。俺みたいなのが居て驚いたか？」
ニヤリと笑う鶴丸国永だった。
出会い頭にまんばちゃんに一撃を喰らわす。
顔をしかめながらそれを受け流して、
「こちらに着くはずでは無かったのか！」
その声には土器を含んでいた。
まんばちゃんの一撃突きが繰り出される。
ひらりと躱して鶴丸は
「事情は全て三日月から聞いた、こちらに着いた方が面白そうだったからな。」
そう言って笑顔で乱撃が繰り出される。
僅かの力の差だろうが、まんばちゃんの方が形勢不利だ。
でも私に何もできる訳ではなく、まんばちゃんに指示された通り壁に背中を付けてガタガタ震えている。
トンっと飛び一気に私の近くまで近寄り、顎を持たれる。
「確かに似ている。これは驚きだ。」
そう言って優しい目で頭を撫でられた。
「主から離れろ！･･･斬る！」
「おっと、これは怖い。主の顔も一目見れた
事だし退散とするか。」
そうして鶴丸国永は軽やかにまんばちゃんの攻撃を躱しながらどこかへ行ってしまった。
「なにこれ、なんで刀剣男子同士で斬りあってるの？」
恐怖と混乱で涙が出てくる。
「まんばちゃん、説明してよ。」
「すまない。それは主が見つけなくてはならない。ただこの本丸には、まだ主を狙っている刀剣達がいる･･･。」
「えぇ？なんで？いきなりこんな所に連れてこられて、私がなんで狙われてるの？！
もう嫌だ。帰りたい･･･。」
「帰って主の居場所はあるのか？」
妙な事を聞いてくる。
「無い･･･かも知れないけど。」
「なら、ここに居てくれ！俺が必ず主を守る。」
どうせ帰る方法も分からないから、ここに居るしか無いんだけど。
「じゃあ、まんばちゃん絶対に負けないでね！」
「分かった主に誓う！」
そうして鍛刀部屋に様子を見に行くと大倶利伽羅が顕現されていた。
「･･････大倶利伽羅だ。事情は把握している。が、馴れ合う気はないからな。」
「大倶利伽羅！」
「事情を把握してるの？」
「ああ。だが俺はアンタの味方だ。」
皆が味方だと不思議な事を言う。
ゲーム設定だったら、無条件で主に仕えるのに･･･
「2.5次元もそんなに甘くは無いって事かぁ･･･」
「見つけましたよ、主君。」
「近寄るな。」
大倶利伽羅がすかさず抜刀して前田藤四郎に刃を向ける。
そうして大倶利伽羅とまんばちゃん、前田藤四郎の戦いは始まった。

「貴方達に主君を独占する権利なんてありません。」
「独占する訳じゃない。」
「アイツに渡す訳にはいかない。それだけだ。」
「形勢不利ですね･･･誰か気づいてくれると良いのですが。」
「俺を呼んだか？」
上から飛び降りて大倶利伽羅の頭を狙ってくる。
すんでのところでそれを躱して、
「アンタが相手か。」
大倶利伽羅は向き直った。
「お前の相手は俺だ！」
まんばちゃんも鶴丸国永に向き直る。
「主、もう一度鍛刀を！」
「分かった！！」
「短刀でもなんでも良いから誰か来て！」
先程の部屋で見つけた手伝い札もくべる。
これで直ぐに誰かが顕現されるはず。
炉心から光が広がる。
「黄金レシピは暗記済み。ヲタク舐めんな！」
光の中から、
「我が名は小烏丸。外敵と戦うことが我が運命。千年たっても、それは変わらぬ。」
「父を呼び出すとはよくやった。褒めてやろう。」
「お父上･･･。まんばちゃんを、大倶利伽羅を助けて！」
「分かった。」
お父上はふわりと飛んだかと思うと、羽のようなしなやかさで外へ出ていった。
外に出てみると形勢逆転。
向こうには鶴丸国永、話では三日月宗近まで居るんだからそれなりの太刀が必要と思ったのだけれど大正解だった。
それでもお父上は、
「人の身とは、何とも思い通りにはならんものよの。」
とか言い、2振り相手に斬撃を繰り出していた。

「小烏丸殿を呼び出すとは、流石主。」
アタマを撫でられる。
「まんばちゃん、子供扱いしないでくれる？」
「我らからすればみな子供のようなものよ。」
「お父上も。」
確かに子供だけれども。一応主なんだからこう、敬意のようなものをはらって欲しい。
皆に子供扱いされるのは不本意。
「大丈夫だ。幾つであろうが俺達の主である事には変わりない。」
大倶利伽羅がぶっきらぼうに呟く。
「それなら良いんだけど･･･」
「ねぇ、誰かに似ているってまんばちゃん言ってたよね？どんな人だったの？」
しばし沈黙。
「あの者はとても綺麗な目をしておった。」
父上が沈黙を破る。
「そなたのように色白で愛らしい瞳の主であった。」
「その人はどうなったの？」
「･･･死んだ。」
「え？」
しぬ？死ぬの？ゲームじゃ審神者は死なない筈なのに･･･この本丸では死ぬの？
恐怖がじわじわと襲ってくる。
「･･･な、なんで死んだの･･･？」
皆が黙りこくる。
不吉な死、とか？
「ねぇ、なんで」
「元主は自害された。」
「じが、い。」
この本丸で自害するような出来事があったって事？
完全な事故物件じゃん！
「元主は最後に宝物を残された。
そのせいでこの本丸はおかしくなってしまったのだ。」
「そうよのう、確かに宝ではあるな。」
「鶴丸国永や三日月宗近、前田藤四郎も？」
「そうだ。」
「他にももっと居たりするの？」
「時の政府は、この本丸の解体を試みた。
が、元主は他の刀剣男子を育てすぎた。」
「え？それって皆カンストか極って事？！」
「かんすと、とはなんだ？」
「えーっと、最高に強くなり過ぎて上限いっぱいいっぱい？」
「強さでは我らも対応できるが、極みは1振りだけだ。」
「え？大倶利伽羅とお父上はさっき鍛刀したばかりだから･･･」
「彼らは主を失ってかなり経つからの、我らは顕現して間も無いが主と霊気は繋がっておる。」
「ガス欠寸前なんだ･･･なら、なんで私は呼ばれたの？
放っておいたら向こうは倒れてた訳でしょ？」
「政府は、我らは残しておく選択をしたので主が呼ばれたと言う訳じゃ。」
「これはこれは、都合の良い解釈をするのう。ジジイは感服したぞ。」
「天下五剣！！」
「新しい主よ。そなたは知らなくてはならない物語がある。
その為にあやつの元に連れていかねばならぬ。」
「そうはさせないぞ！」
「主、主が選ぶがよい。あの者の元に行くか山姥切と共にあるか。」
「父を忘れてもらっては困る。」
キィン。鋼と鋼がぶつかる高い音。
「これは小烏丸殿。無粋な挨拶じゃな。」
「俺も忘れてもらっては困る。」
大倶利伽羅が袈裟斬りにする。
三日月宗近は後ろへ飛んだ。
「主と話さえもさせてもらえぬとは。」
私はどうしたらいいのだろうか？
「宗近！私に会いたいとは誰の事？」
「来れば分かる。」
「名乗りもしない奴と会いたくなんかない！！」
「あいわかった。ならば、」
何十振りの刀に囲まれる。
「主は渡さん！！」
まんばちゃんが斬りかかっていく。
それを見た大倶利伽羅、お父上も後に続く。
無理だ。この人数で立ち向かうなんて･･･
剣技の音が響く。どうしたらいいかも分からない私はみんながボロボロになっていく姿を見続けるしか無かった。
「あるじ、逃げ･･･」
「逃げれる訳がない！逃げれる訳がないに決まってるじゃない！」
「さっきの言い方だと私が着いて行けば許してくれるんでしょ？
三日月宗近！！」
「方、この者らを助けて欲しいと言う事かな？」
攻撃が一瞬止まる。
「それと、私はここの本丸の主として呼ばれた。
あなた達はなぜ従わないの？！」
「これはこれは、なかなかに痛い所をついてくる。
皆、主命であるぞ。」
完全に攻撃が止まった。
まんばちゃん達に駆け寄る。
「大丈夫？」
「手入れ部屋に連れて行ってもらって。」
「主の傍を離れる訳にはいかない。」
「誰か、手伝い札は持ってないの？」
「ジジイので良ければやろう。ただし2枚しかない。」
「俺は主に着いていきます。」
ボロボロので体でまんばちゃんは言う。
こんなになってまでも、私の身を案じてくれているのか？
目頭が熱くなる。
「三日月宗近、山姥切国広と一緒に行きます。」
「そこの重症を装った者が、これから会う人物に斬り掛からんとは限らん。」
「装ってるんじゃなくて重症なの！
譲歩しないからね！！」
「･･･あいわかった。」
「まんばちゃん、立てる？
ほら肩を持って。」
「主、会わない方がいい。」
「この騒動の張本人に会わないと気が済まない。」
「そうか･･･」
「では、案内しよう。」
三日月宗近の後に続いた。

そこは綺麗な白い牡丹が咲き乱れてて、神秘的な空間だった。
その奥にその人はいた。
対象的な綺麗な赤い人。くるりとこちらを振り返ると、
「私と同じ顔？」
そっくりと言ってもいいほどに似ていた。
どういう事？
元主と言われたから母かと思っていた。
だって母にもよく似ているから。
「会いたかったよ。」
そう言って優しい声で呼び掛ける。
「加州、清光。」
「そうではなくて父と呼んで欲しい。」
「え･･･？」
「加州清光！！それ以上言うな！！」
まんばちゃんが清光に掴みかかる。
だけど軽くあしらわれ。
「君も彼女が好きだったから、面影を見てたのか？」
「違う！」
「俺を悪人に仕立て上げる程憎まれてたんだね。」
「違うっっ！！」
まんばちゃんが刀を抜き清光の首元に刃を当てる。
「貴様がが全て間違ったせいで主は自害したのだ。
この主には干渉するな！貴様は消えて無くなればいい！！」
「山姥切国広、決めつけるではない。主も間違えてしまったのだ。
加州清光をどうするのかは新しい主が決めることでは無いか？」
「そうだね。長い話だけれど、良かったら聞いて欲しい。」
「山姥切国広、この子が俺を拒んだなら好きにしてくれ。」
「加州清みつ。」
「あれは20年前の事だったかのう？
そなたの母は齢18であった。」

母は初期刀に加州清光を選んだらしい。
ヲタクで言う所のきよさにだったらしい。
お互い好意はあったが、主と従者。人と神。
決して交わる事が許されない一線を母は越えてしまった。
加州清光はそれでもいいと。本丸にいる間だけ愛してくれたらそれでいいと言っていたらしい。
しばらくは母もそうしていた。
でも有り得ない事に私が出来てしまった。
それから母が本丸にくる日が無くなったと言う。
そして、現世に顕現して加州清光が家に訪ねると母が自殺した後であったと。
既に結婚していて、私の顔も見れなかったと。
私は母は心臓の病気だと聞いていた。
いや、聞かなかった。だから噂話なんて知らなかった。
現在いる父は、どういう思いで私を育てたのだろう。
そんな父を慰めてくれてたのが今の義理母なんだったのか。
世界に否定されたような感覚。自分がずっとしていた事なのに。
母は、この加州清光を愛していた･･･
「一度だけでいい。抱き締めさせてくれないか？」
父が言う。
「･･･一度だけだよ。」
「ありがとう。」
皆油断したんだろうね。
でも、話の通りなら私も刀剣の血を引いている。
打刀までもいかなくても。
「短刀程度なら出せたよ。凄いでしょ？」
「ただでさえ赤い衣装が更に赤黒くなっていくね。」
「分かっていた、これを俺は望んでいた。」
「うん。ゲームではこれもハッピーエンドの形でしょ？」
「主･･･」
「ママが可哀想だよ。多分ずっと清光の事を待ってる筈。早く行ってあげて？」
清光は私の頬にそっと触れて
「ありがとう。」と呟いて砕け散った。
「主の出した答えがそうであれば、我らも従う。」
「三日月宗近は勘違いしているね？」
「ほう。どのように？」
「私はここの主だよ。辞めるつもりもない。
あなた達は今から私の刀剣男子だよ？」
「主の望みとあらば。」
「加州清光を殺したのはー」
「まんばちゃんを傷付けたからだよ？」
「･･･山姥切国広、そなたの夢は娘が受け止めるらしい。喜べ。」
心なしか声色は冷たかった。
そう、私はまんばちゃん推し。推しがママの面影を追って居るのなら私が代わりになる。
現実なんてクソ喰らえ。ずっと来たかった世界に来れてずっと憧れていた人がいる。
手放すわけが無い。ふふふ。

「どうやら身内に責任を取らすのは無理だったようですね。」
「前の主はまだ良識があったが、加州と恋仲になった時点で全て狂ってしまったと思える。」
「審神者としては問題は無さそうと言うより。非常に優秀です。政府はこのまま様子見するそうです。」
「こんのすけ、俺は少々疲れた。ここら辺でジジイは退散したい。」
「刀解をご希望ですか？」
「ああ。」
「分かりました。政府に伝えておきます。」

それから、この本丸に加州清光と三日月宗近が現れることは二度と無かった。
私も成人して子供が出来た。
でもママとは違う。全てうまく乗り越えてみせる。
「ママ？スマホの刀剣乱舞って言うアプリ何？」
娘もそろそろあの頃の私と同い年になる。
そろそろ教えてもいいかも知れない。
「ママと同じゲームしてみる？」 ]]>
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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-06-06T21:57:07+09:00</dc:date>
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		<title>顕現『髭切』</title>

		<description>それは、ちゃんとした本丸に呼ばれる少し…</description>
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			<![CDATA[ それは、ちゃんとした本丸に呼ばれる少し前。
俺は本丸ではない異世界で色素のぬけた弟に出会った。
俺は完全では無く。『とうえい』と言う名の写しだった。
その世界で。
「弟を殺した元主をなぜ信用できよう！
兄者は現に俺を壊そうとしている。
二振り作られただけで兄と名乗る資格はい。」
と斬りかかってくる。
僕が今まで不安に思っていたしこりをこの世界で指摘された。
剣技は続き、弟にヒビが入る。
その為だけに呼び出されたのだが、流石に心という物が痛かった。それなのに
「兄者･･･この世界でも俺を葬るのか？やはり信じてはいけないのか？」
弟は涙を流していた。そして役に立たないと理解された主の泥の闇に飲み込まれていった。
僕にもヒビが入る。そこから光が溢れていく。
それはそうだろう。99%本物であったとしても、１%がコピーであればそれは世界の歪みを生み出してしまう。
消えなくてはならない存在だからだ。
「膝丸、ごめんね。僕のせいで傷ついていたんだね。」
そして光と共に僕は消えた。

暗闇でいつも呼ぶ声がする。
でも、その声には答えたくは無かった。
僕らも拒否権があって良いはずだ。
しかし、強力な力に引っ張られ顕現した。
目の前に弟がいる。
「兄者！！」
いきなり抱きつかれたが、心は痛い。
そっと弟を引き剥がして主に向き直る。
「源氏の重宝、髭切さ。君が今代の主でいいのかい？」
主に笑いかけた。

その後弟に本丸を案内される。
「兄者、ここが客間だ。たが、皆が集まって話したりする事が多いのでここだけ最近の改築したのだ。
綺麗であろう？」
「ふーん。」
「ここの庭はは自給自足の為畑も設けている。
畑の管理は主に桑名江がしている。」
「へえ。」
「そして、ここが部屋だ。
主は兄者が来た時の為に2人部屋にしてくれていたのだ。」
「あの、…ひ、ひ。」
「膝丸だ。兄者！」
「そう、兄者って呼ぶの辞めてくれないかな？」
「兄者、どうしたのだ？」
「それ！辞めてくれない？」
「二振りで献上されたからってな兄とか弟とかって馬鹿らしくない？
僕はそういうものに縛られたく無いんだよ。」
「兄者･･･」
「だから、それ！」
「兄者は何があっても俺の兄者である事に変わりは無い！
だから俺は兄者と呼び続ける！」
「…勝手にしなよ。」
そう言って部屋を出た。
主にキチンと話さなければ。
僕の心が持たない。
憧れや親しみの目で見られてしまっても、僕は前の世界でも弟を壊そうとして。
元主も弟を殺した。やはり元主に似るんだろうか？
僕が居るせいで弟を二度とあんな目にはあわす事は出来ない。
主の部屋の前に立ち呼びかける。
「主、ちょっといいかい？」
「髭切？いいよ。入って。」
そうして部屋に入ってこの本丸の前に行った世界を話し出した。

「そう言う事だから。」
「髭切！待って！」
部屋から出ると、弟がいた。
「兄者…」
「部屋は安達のよしみで鶴丸国永の部屋に行く事にしたよ。」
「俺は！俺は兄者の弟だと認めて貰えるまで頑張るとする！」
「勝手にしなよ。」
わざと突き放して話す。
もう、お互い兄弟と言う絆に縛られない方がいい。
その方が弟も幸せになれるはずだ。
僕も汚名を着なくても済む。
途中で粟田口の子らに会ったので鶴丸国永の部屋を聞いた。

「まさかの源氏の兄弟が喧嘩とはな！」
「喧嘩じゃないよ？もう、へたな絆に、縛られたくないんだ。」
「喧嘩よりもタチが悪そうだな。」
「でも、ずっと避ける事は出来ないと思うぜ。」
「分かっているよ。でもしばらくでもいいから弟と離れたいんだよ。」
「そうか、ま俺は大歓迎だいつまでも居てくれても構わないぜ。」
「ありがとう。鶴丸国永。」
「おっと、早速お見えになったぜ。」
「会いたくないと追い返してくれるかい？」
「分かった。」

「よお、膝丸。髭切に用事か？」
「鶴丸国永か。兄者に謝罪したくて来たのだが。」
「残念だが、膝丸は通すなと言われてるんでな。
喧嘩でもしたのか？」
「喧嘩以前の問題だ。」
「でも、今日は諦めてくれ。」
「分かった。また改めて来る事にしよう。」
「兄者ー！また来るからな！！」
大声で言わなくても聞こえてるのに。
「なぁ、流石に膝丸が可哀想に思えたが。」
「いつになるのかは分からないけど、弟が諦めてくれるまで。
そうだな･･･弟の名前をちゃんと覚えられる頃には兄離れしてくれると思うんだ。」
「そうだな。かなり時間はかかりそうだが。」
「酷い言われようだね。」

それから毎日弟は部屋を訪ねてくる。
畑当番や馬当番の日も足を運んでくる。
こちらが拒んいるのに、どうして付きまとおうとするんだ。
ある日は乱藤四郎が来た。
「膝丸に頼まれて、爪のお手入れしにきたよー！」
「断ってもいいかな？」多少威圧して笑顔で答える。
「だーめー！さ、そこに座って」
「しょうがないなぁ。」場数を踏んでいるんだろう。
多少の威圧でも軽く流される。
「はい、ここに手を置いて。」
言われる通りにすると乱が爪ヤスリで爪を整え始めた。
「髭切は膝丸が嫌いなの？」
単刀直入だなぁ。
「嫌いって言う訳では無いよ。だから兄弟の絆を無くしてお互い自由にしてればいいと思ってね。」
「それ、弟が聞いたら悲しいね。
僕もいち兄に、そんな事言われたら泣いちゃうかも？」
「そういうものかい？」
「そういうもんだよ。ねぇ、髭切の爪綺麗だしネイルしてもいい？」
目をキラキラさせて聞いてくる。
「ああ、いいよ。」
「やった！こんな事もあるかも知れないと思って持っいてきてたんだよね。」
「そうなのかい？じゃあお願いするよ。」
爪に綺麗な白色が塗られていく。
「ラインストーンも落とそう。ね？これ膝丸に見せてみない？」
「残念だけどその手には乗らないよ？」
「膝丸、喜ぶと思うんだけどなぁ。」
「気が向いたら見せる事にするよ。」
「それを聞いて安心したよ。髭切も膝丸が好きなんだね。」
「･･･」

ある日、乱が部屋に入って来て初陣だと呼ばれた。
嫌な予感はするが、主命は流石に断れない。
「主、出陣と伺ったが。」
「兄者では無いか、そうか。共に出陣なのだな！
俺は嬉しいぞ。」
「主、弟が出陣するとは一言も聞いていないが。
僕は辞退してもいいかな？」
「兄者！」
「許しません。主命です。」
やはり我ら2人の問題を、解決しようとこの編成になったのだな。
「これより部隊長膝丸、髭切、一期一振、乱藤四郎、今剣、岩融に出陣してもらいます。」
「時代は鎌倉、1205年。源三代目将軍の時代です。」
「よしつねこうはもういない時代ですよね？」
三代目？てっきり、壇ノ浦辺りに飛ばされたかと思っていたのだけれど。
「三代目将軍を生かし北条の時代にさせまいとする動きは確かにあります。よろしくお願いします。」
「「「「「「では、出陣します！」」」」」」

「ここは何処だ？あ、兄者足元に気をつけてだな。」
大倶利伽羅では無いが、弟と馴れ合うつもりはまだ無いのだけれど･･･
「･･･そろそろ僕に構うのを辞めてくれないかな？」
「兄者･･･」
「ほらほらー、いつ敵が出てくるのか分からないんだから気を抜かない。
揉めてる時間はないよー！」
「乱の言う通りだと私も思いますが。」
「分かったよ。話くらいはするように心掛けるよ。」
そうでないと連携が取れないしね。
「兄者！」
「膝丸さんどうして泣いてるんですかー？」
「いや、今剣これは嬉しいからだ。」
辺りから殺気がする。部隊長が泣いててどうするんだ。
手間がかかる。
「どうやら囲まれてしまったみたいだね。」
「なに！よし、痕跡を追跡だ。そして包囲する。あそこか！皆魚鱗陣で迎え撃つぞ！！」
「やあやあ、我こそは源氏の重宝、膝丸なり！」

「思っていたより呆気なかったね。」
「私も些か拍子抜けしているよ。」
「そこに居るのは誰？もしや、私を狙いに来た刺客ですか？」
「僕達は刺客なんかじゃないよー。お兄さん誰？」
「それにしては珍妙な格好をしているもの達だな。
いや、刺客でないならいい。」
「私は源実朝と申します。」
「？！」
「貴方が･･･頼朝公の息子でしたか･･･。」
「父をご存知なのですか？」
「うむ、鎌倉幕府を開いた立派な御仁ですからな。民百姓も知れる所ですぞ。」
「そうか、父は賞賛されていたのですね。良かった。名声を確固たる物にしようと弟殺しと呼ばれていると思っておりました。どなたかは存じませんが、そう思ってくれてありがとう。」
又、弟を殺しか。もう辞めてくれ。
「僕はあなたの父親が立派だとは思ってませんが。」
「兄者！？」
「いやはや手厳しい。私も幼い頃はそう思っていました。しかし余命も少ないであろうこの身でやっと真実が分かったのです。」
「それは、どういう事だい？」
「父は、形だけの将軍でした。勿論私も。全ては北条が源氏を消し去ろうとしての企み。」
「私も将軍の地位を欲した訳ではありません。将軍になったところで北条の傀儡である事に変わりません。」
確かに妻の方が強かったし後ろ盾があった記憶はある。
「父親も、貴方も、北条の傀儡なのかい･･･？」
思わず将軍の腕を掴む。
「初めて会った方にこんな事をお話するなんて、本当にどうかしています。忘れてください。」
「兄者･･･そろそろ腕を離さなければ。」
促されて腕を離す。
弟の元主を殺したくは無いのに、洗脳されていたと言う事なのか。
本当に？いや、元の主の事だから真実だろう。
そして、その息子まで狙われているのか･･･
「そなたらに慰められるとは思わなんだ。ありがとう。そろそろ私は戻ります。」
「待って！息子の貴方は父親や自分がそんな目にあったのに悔しくは無いのかい？」
僕は兄弟なのに、弟を殺した元主が憎い。
そのせいで今苦しんでいるのに！
「私は、武芸に向いていません。それに北条相手に勝てる程の軍を所要してもいません。」
「出でいなば 主なき宿と なりぬとも 軒端の梅よ 春を忘るな」
「あなた達と出会った事は忘れません。」
弟は僕が来るまでに相当鍛錬を詰んだのだろう。
そしてこの歴史を知っていたのだろう。
僕は、この時代を忌み嫌った。
鬼切丸と呼ばれていた方が幸せだった。
でも、弟は全て受け入れる事ができる強さを持っているんだと感じた。
僕は･･･これからどうすればいいのか？

「はい皆おかえり。」
主に抱き締められるが、上手く笑顔で返す事は出来なかった。心の整理がつかない。
「主、兄者と2人で話をしたいのだが。」
膝丸がとんでもない提案をした。
でも、そろそろ僕も向き合わ無ければいけないのかも知れない･･･
「そうだと思った。私も立ち合っていい？」
「お願いする。」

そうして弟と主と3人で向き合う。
「兄者。」
「なんだい？」
「以前に出会った俺は兄者を責めてしまったらしいが、俺は違う。
唯一の兄弟の兄者が本当に誇りなのだ。兄者が好きだ！」
弟に告白されてしまって笑ってしまう。
こんな僕が誇りだって？心の整理一つろくに付けられないのに。
「ストレートなのは変わってないんだね。
主が何を言いたいのか、今回の出陣で分かった。
僕の元主の意思で弟を殺したんでは無いと言う事だね？」
「でも、決断を下したのはやっぱり元主なんだよ。」
「兄者･･･」
「でも、少し考えは変わったかな？
僕の態度でも何も変わらずに慕ってくれる膝丸はとても強くなったんだね！」
そう、どちらが兄だか分からないほどに･･･？
弟が何故か泣いている。変な事は言ってない筈だけど。
「兄者！！」
「僕が来るのが遅すぎたのかな？」
もっと早くに来て、こうして弟と向き合っていたら何かが違ったのかも知れない。
「違う場所で寄り道しちゃったからね。」
「そうだね。でも、僕も弟とこれから向き合っていく事にするよ。」
「あ、兄者･･･！」
「膝丸、泣かないで。」
「あ、主こそ泣くではない。」
優しい弟、優しい主。少しずつ僕も変わっていけるだろう。
「ふふ、僕はいい本丸に来たんだね。凄くいい所だ。」
「これから兄者の鍛錬にも毎日付き合っていくぞ、だから2人で強くなろう兄者！！」
「ありがとう･･･え、とひじ･･･」
「兄者、せめて名前だけでもちゃんと覚えて欲しいのだが！」
「僕が覚えなくても、いつも傍に居てくれるんだろう？
じゃあ覚える必要無いじゃないか。」
そう、これからは兄弟の絆を深めて行こう。
「兄者･･･！」
「兄者、俺はなにがあっても兄者の為に頑張るぞ。」
「膝丸が世話を焼いてたら髭切が弟みたいになっちゃうね。」
「僕はそれでも構わないよ。」
「いや、兄者は兄者で居てもらわないと困る。
なんたって、自慢の兄者なんだから！」
やはり弟は可愛いものだな。
自然と笑みが零れていた。 ]]>
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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
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		<title>出陣『膝丸』</title>

		<description>「主はいるか？」
「ん？膝丸どうしたの…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 「主はいるか？」
「ん？膝丸どうしたの？」
「そろそろ兄者を本丸に迎えたいのだ。」
「そっか、そうだよね。膝丸はずっと髭切待ってるんだもんね。」
「じゃあ鍛刀しようか？
はい、この御札持って行っていいよ。」
「この札は！主いいのか？」
「うん。」
「ありがたい」

俺と兄者は源氏を繁栄させるものとして、贈られた。
なぜ二振りだったのかは分からないが、兄と呼べる存在がいるのは嬉しい事だと、この本丸に来て思えた。
粟田口、堀川、左文字等の兄弟を見てきた俺は、ずっと兄者が顕現されるのを心待ちにしていた。
俺には主だけではなく誇らしい兄者がいる。
「兄者、この札で会えればいいな。」
札を炉にくべた。

3時間を過ぎた頃だろうか？
心配になって鍛刀部屋に足を向ける。
「あ、膝丸も気になって来たんだ。」
「ああ、主も気にしてくれるのか。本当にありがたい。」
「粟田口の皆も一期一振くるの心待ちにしてたの知ってるからね。」
「膝丸もそういう気持ちなんでしょ？」
「少々落ち着かないが、そんな感じだ。」
「ソワソワするんだ。」ふふ、っと主は笑う。
「多少気恥しいが、兄者に会いたい気持ちは粟田口達と同じであろうな。」
「兄者は本当に凄い刀なんでな。」
多少気が高ぶっていたのか、兄者の武勇伝を話し出す。
この話も何度も主にはしている。が、毎度嬉しそうに聞いてくれるのでつい話してしまう。
と、しばらくすると炉が光りだした。
この光、姿形に覚えはある…
「兄者！！」
感極まって兄者に抱きついてしまった。
無表情で体を剥がされる。
「兄者･･･？」
兄者は主に向き直って
「源氏の重宝、髭切さ。君が今代の主でいいのかい？」
そう笑いかけていた。

主に本丸の案内と部屋にも案内する役を仰せつかった。
「兄者、ここが客間だ。たが、皆が集まって話したりする事が多いのでここだけ最近の改築したのだ。
綺麗であろう？」
「ふーん。」
「ここの庭はは自給自足の為畑も設けている。
畑の管理は主に桑名江がしている。」
「へえ。」
「そして、ここが部屋だ。
主は兄者が来た時の為に2人部屋にしてくれていたのだ。」
「あの、…ひ、ひ。」
「膝丸だ。兄者！」
「そう、兄者って呼ぶの辞めてくれないかな？」
「兄者、どうしたのだ？」
「それ！辞めてくれない？」
「二振りで献上されたからってな兄とか弟とかって馬鹿らしくない？
僕はそういうものに縛られたく無いんだよ。」
「兄者･･･」
「だから、それ！」
「兄者は何があっても俺の兄者である事に変わりは無い！
だから俺は兄者と呼び続ける！」
「…勝手にしなよ。」
そう言って部屋を出ていった。
どうしたと言うのだ？物であった頃から兄弟仲は悪くはなか･･･そうか。
とりあえず、主の所に相談と報告に行ってみるか…。

「そう言う事だから。」
「髭切！待って！」
ちょうど兄者が主の部屋から出てきた所だった。
「兄者…」
「部屋は安達のよしみで鶴丸国永の部屋に行く事にしたよ。」
「俺は！俺は兄者の弟だと認めて貰えるまで頑張るとする！」
「勝手にしなよ。」
兄者の背中を見送って、主の部屋に入った。
「主、もしかして兄者は前の主の事を気にしているのでは無いか？」
「あのね、ここに来る前にここでは無い所で顕現したそうなの。」
「違う本丸でか？」
「本丸でも無いみたい。」
「写しとして召喚されたとか。」
「写しがなぜ兄者の心を宿したのだ？」
「限りなく本物に近い物だろうね。でも、世界はそんな矛盾を許すわけが無いから壊れたらしい。」
「兄者がか？！」
「壊れたんじゃなくて世界のバグが消えたって言った方がいいのかな？」
「ますますもって分からん。」
「肝心なのはここからなんだよね。
その世界に膝丸も居たけど、闇堕ちしていたらしくて･･･」
「俺が兄者になにか言ってしまったのか？」
「元主を殺した兄なんていらない。みたいな事を。」
「･･･」
「膝丸は今どう思ってるの？」
「兄者を責めたと言うより、なぜ俺達兄弟の仲を邪魔する様な行為に及んだ兄者の主に腹を立てていた頃はあった･･･
いや、俺も兄者を憎んだのか？」
「だが、主の部屋の書物を読んでいくうちに兄者の元主ではなく、その妻のせいだと気がついた。」
「じゃあ、その世界に現れた膝丸はまだそれを知らなくて髭切に斬りかかったのか･･･」
「俺が兄者に斬りかかったのか？！
こんな事をしてられん、すぐに兄者に謝らなければ！！」
「膝丸！」
主の声を背にして兄者の元へと向かった。

「よお、膝丸。髭切に用事か？」
「鶴丸国永か。兄者に謝罪したくて来たのだが。」
「残念だが、膝丸は通すなと言われてるんでな。
喧嘩でもしたのか？」
「喧嘩以前の問題だ。」
「でも、今日は諦めてくれ。」
「分かった。また改めて来る事にしよう。」
「兄者ー！また来るからな！！」
来る日も来る日も兄者の元へと通ったが、完全に俺は避けられているようだ。
「膝丸、大丈夫？」
「乱か。俺は大丈夫だ。」
「そっか、僕もいち兄にずっと避けられたら辛いからね。だから膝丸もそうは言っても辛いだろうと思ったんだけど。」
「俺は兄者に対しての気持ちは変わらない。
兄者の元主へは疑問を抱いたが、兄者が悪い所はひとつも無い。」
「膝丸は強いね。それを聞いてたら僕も兄孝行したくなっちゃった。
いち兄の爪綺麗にしてこようかな？」
「乱は優しいのだな。そうだ、ついでに兄者の爪もお願いしてもいいか？」
「分かったよ。その後に膝丸もしてあげるね。」
「礼を言う。」

「って感じだね。」
「で、髭切と話したの？」
「僕が感じた事は、弟を葬った主を見てきた事が忌々しいから、兄弟と言う関係が怖いみたいだね。」
「鶴丸に言っても庇うばっかりで会わせてくれないしなぁ･･･
強硬策をとろうか。」
「出陣だね！僕も編成してよ。」
「はいはい、分かった。じゃあこのメンバー呼んで来てくれる？」
「え？本当にこのメンバーでいいの？」
「うん。お願いするね。」


「主、出陣と伺ったが。」
「兄者では無いか！そうか！共に出陣なのだな！
俺は嬉しいぞ。」
「主、弟が出陣するとは一言も聞いていないが。
僕は辞退してもいいかな？」
「兄者！」
「許しません。主命です。」
「これより部隊長膝丸、髭切、一期一振、乱藤四郎、今剣、岩融に出陣してもらいます。」
「時代は鎌倉、1205年。源三代目将軍の時代です。」
「よしつねこうはもういない時代ですよね？」
「主、初代将軍では無いのか？」
「三代目将軍を生かし北条の時代にさせまいとする動きは確かにあります。よろしくお願いします。」
「「「「「「では、出陣します！」」」」」」

「ここは何処だ？あ、兄者足元に気をつけてだな。」
「･･･そろそろ僕に構うのを辞めてくれないかな？」
「兄者･･･」
「ほらほらー、いつ敵が出てくるのか分からないんだから気を抜かない。
揉めてる時間はないよー！」
「乱の言う通りだと私も思いますが。」
「分かったよ。話くらいはするように心掛けるよ。」
「兄者！」
「膝丸さんどうして泣いてるんですかー？」
「いや、今剣これは嬉しいからだ。」
「油断してしまったね。どうやら囲まれてしまったみたいだね。」
「なに！よし、痕跡を追跡だ。そして包囲する。あそこか！皆魚鱗陣で迎え撃つぞ！！」
「やあやあ、我こそは源氏の重宝、膝丸なり！」

「思っていたより呆気なかったね。」
「私も些か拍子抜けしているよ。」
「そこに居るのは誰？もしや、私を狙いに来た刺客ですか？」
「僕達は刺客なんかじゃないよー。お兄さん誰？」
「それにしては珍妙な格好をしているもの達だな。
いや、刺客でないならいい。」
「私は源実朝と申します。」
「？！」
「貴方が･･･頼朝公の息子でしたか･･･。」
「父をご存知なのですか？」
「うむ、鎌倉幕府を開いた立派な御仁ですからな。民百姓も知れる所ですぞ。」
「そうか、父は賞賛されていたのですね。良かった。名声を確固たる物にしようと弟殺しと呼ばれていると思っておりました。どなたかは存じませんが、そう思ってくれてありがとう。」
「僕はあなたの父親が立派だとは思ってませんが。」
「兄者！？」
「いやはや手厳しい。私も幼い頃はそう思っていました。しかし余命も少ないであろうこの身でやっと真実が分かったのです。」
「それは、どういう事だい？」
「父は、形だけの将軍でした。勿論私も。全ては北条が源を消し去ろうとしての企み。」
「私も将軍の地位を欲した訳ではありません。将軍になったところで北条の傀儡である事に変わりません。」
「父親も、貴方も、北条の傀儡なのかい･･･？」
兄者が将軍の腕を掴む。
「初めて会った方にこんな事をお話するなんて、本当にどうかしています。忘れてください。」
「兄者･･･そろそろ腕を離さなければ。」
「よしつねこうは生きていますよ！僕はそう信じています！」
「義経公は、最後まで貴方の父親を信じていたと思います。貴方も強く生きてください。」
「そなたらに慰められるとは思わなんだ。ありがとう。
そろそろ私は戻ります。」
「待って！息子の貴方は父親や自分がそんな目にあったのに悔しくは無いのかい？」
「私は、武芸に向いていません。それに北条相手に勝てる程の軍を所要してもいません。」
「出でいなば 主なき宿と なりぬとも 軒端の梅よ 春を忘るな」
「あなた達と出会った事は忘れません。」
「我らも将軍殿と出会った事は忘れません。」
「ありがとう。」

「はい皆おかえり。」
いつものように主は皆を抱きしめている。
笑顔で主に答えるが、兄者だけは困惑の瞳のままだった。
「主、兄者と2人で話をしたいのだが。」
「そうだと思った。私も立ち合っていい？」
「お願いする。」

そうして兄者と主と3人で向き合う。
「兄者。」
「なんだい？」
「以前に出会った俺は兄者を責めてしまったらしいが、俺は違う。
唯一の兄弟の兄者が本当に誇りなのだ。兄者が好きだ！」
「ストレートなのは変わってないんだね。
主が何を言いたいのか、今回の出陣で分かった。
僕の元主の意思で弟を殺したんでは無いと言う事だね？」
「でも、決断を下したのはやっぱり元主なんだよ。」
「兄者･･･」
「でも、少し考えは変わったかな？
僕の態度でも何も変わらずに慕ってくれる膝丸はとても強くなったんだね！」
「兄者！！」
「僕が来るのが遅すぎたのかな？」
「違う場所で寄り道しちゃったからね。」
「そうだね。でも、僕も弟とこれから向き合っていく事にするよ。」
「あ、兄者･･･！」
「膝丸、泣かないで。」
「あ、主こそ泣くではない。」
「ふふ、僕はいい本丸に来たんだね。凄くいい所だ。」
「これから兄者の鍛錬にも毎日付き合っていくぞ、だから2人で強くなろう兄者！！」
「ありがとう･･･え、とひじ･･･」
「兄者、せめて名前だけでもちゃんと覚えて欲しいのだが！」
「僕が覚えなくても、いつも傍に居てくれるんだろう？
じゃあ覚える必要無いじゃないか。」
「兄者･･･！」
「兄者、俺はなにがあっても兄者の為に頑張るぞ。」
「膝丸が世話を焼いてたら髭切が弟みたいになっちゃうね。」
「僕はそれでも構わないよ。」
「いや、兄者は兄者で居てもらわないと困る。
なんたって、自慢の兄者なんだから！」
兄者は笑顔で頷いてくれた。 ]]>
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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-06-05T01:02:58+09:00</dc:date>
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		<title>誰がダウトだ？</title>

		<description>「山姥切国広じゃないか。何やら困った顔…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 「山姥切国広じゃないか。何やら困った顔をしているがどうした？」
「あぁ、本家か。実は主がスーツを作ろうと言ってくださったのだが。」
「ほう、新しいスーツかいいじゃないか。」
「それがアル〇ーニにオーダーメイドで作ると言われてしまって･･･」
「ア〇マーニだと？！主は又無駄遣いするつもりなのか？」
「俺はもう写しを気にしていないので断ったんだが･･･」
「当然だ。それで主はどうした？」
「怒らせてしまったようだ。」
「子供か？！」
「靴もエド〇ードグリー〇のオーダーメイドを作るとまで言い出してしまって困ってるんだが･･･」
「ほんとうにしょうがない主だな。
どれ、俺が話をしてきてやろう。」
「そうか、ありがとう長義！」

「主、入るぞ！」
「･･･ちょぎか。」
「山姥切国広のスーツを作ろうとしてるらしいな。」
「そうなんだよね。でも断られた！」
「本物を着ても写しには変わりないし、安物を着ても付喪神には変わりないんだって！」
「そうか、いい事を言ったな。その言葉が真実だ。」
「ちょぎは新しいスーツ欲しくない？」
「･･･確かにくたびれてきたが、まだまだ着れるから結構だ。」
「ふーん。本家の刀がくたびれたスーツ･･･ハッ、様にならないね。」
「そ、そうかも知れないが･･･」
「ア〇マーニ着たくない？」
「ブ、ブランドで神格は左右される訳でも無いので、必要･･･無い。」
「いやぁ、山姥切の本家が着たらさぞや麗しくなるだろうねぇ･･･」
「シルエットが全く違うからね！」
「･･･主、そんなに違うのか？」
「着心地も違うだろうね。フィット感が良くなりすぎて戦闘も誉取りまくると思うよ。」
「そ、そうか･･･」
「そう言えば、内番の靴はニュー〇ランスだったよね？」
「そうだが。」
「履き心地はどう？」
「履きやすい。」
「畑仕事だとしても、やっぱり足に負担かけちゃいけないから、いい靴は持っとくべきだと思うよ？」
「そ、そんなにも差が出るのか。」
「差が出ないんだったら、陸上選手はわざわざメーカーの靴を履かないよね？」
「確かに一理ある･･･」
「でしょ？それをまんばちゃんは断ったの。
私としてはまんばちゃんもちょぎも強くなって欲しいから、勧めたんだけど残念だよ･･･」
「俺から、俺からもう一度山姥切国広に言ってみる。」
「そっか、じゃあまんばちゃんとちょぎとお揃いのブランドで揃えてみる？」
「写しと･･･いや、最近の活躍には目を見張るものがあるからな。主の為に2人で更に頑張れるように。」

「山姥切国広！」
「本家か。主には言ってくれたのか？」
「物には値段がついているが、安い高いだけでは無いと思うのだ。」
「いきなりどうした。」
「高いのには訳がある、それは機能性の良さだ！」
「それがどうした。」
「例えばお前は写しだが、国広1番の傑作だ。写しだけれど戦闘は一流だ。」
「何があった。煽てても何も出んぞ。」
「が、お前の格好はやはり地味だ。この際戦闘能力に合わせた格好と言うのもいいかも知れん。」
「俺の戦闘能力にあった格好か。俺はこのままでもいいが･･･」
「布がバサバサしてて邪魔だろう。」
「いや、慣れてきたが。」
「腕を垂直にあげてみろ。ほら、ここにシワがよってここが窮屈になるだろう。」
「戦闘にあった服を着るべきだ！」
「そんなおかしな角度で抜刀はしないが。」
「どんな角度で動かしても違和感のない服が必要だとは思わないか？」
「確かに、それはベストだと思うが･･･」
「流石にア〇マーニは行き過ぎだろう。」
「それは違うぞ、値段にあった着心地を提供しているからずっと愛されてるんだろう？」
「っ･･･一理あるな。」
「靴もそうだ。男も外反母趾を気にする時代だ。
足に異常があれば戦闘能力も落ちると言うもの。」
「俺達付喪神が外反母趾になるのか？」
「万全を期していた方がいい。」
「石橋を叩いて渡る精神か･･･理解は出来るな」
「納得してくれたか。では主の所に･･･」
「行かんでもよか！」
「クソっ！コイツが居たか！！」
「主から直接聞いたとね。」
「ちょぎごめん。」

「で、俺はダシにされそうになっていた訳だな。」
「山姥切国広、すまない。」
「謝らんでも良かとね。悪いのは主やけん。」
「でも、最近の仲良くなっていたからお揃い来て欲しかったのは、本当なんだよぉ。」
「そう言えば、最近本家は普通に話し掛けてくれるようになったな。」
「お前の働きをみていたら、写しだとか本家だとか気にならなくなっただけだ。」
「ね、ね！だからお揃いの靴位はダメ？」
「･･･俺の知ってる安いメーカーならよか。」
「えー！まんばちゃんとちょぎはブランドで固めたいのにー！」
「主！」
「すいません、黙ります。」
「じゃあ、この楽〇の中から選ぶと･･･」
「博多、いつもの人が来てるぞ。」
「薬研。いつもの人って？」
「な、なんでもなかばい！」
「薬研、すぐに帰って貰って･･･」
「主命です！会いに行く！！」

「どうも初めまして、いつも博多様にはお世話になっております。」
「「「いつも？お世話？？？」」」
「オーダーメイドで靴や服など作らせて貰っております。
これが名刺です。」
「「「BVL〇ARI？！！」」」
「博多ぁー！どういう事か説明してもらおうじゃない。
あれ？博多は」
「居ない。いつ逃げた！て言うか何処にも逃げられないからね！！」
「危ないところだったばい。ほとぼり冷めるまで修行でも出るしかなかとね。」
「博多ーーー！！」
「逃げるが勝ちたい！！」
それからしばらく博多藤四郎の姿を見たものはいなかったという。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-06-03T20:54:34+09:00</dc:date>
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		<title>恋心の卵</title>

		<description>「主、茶にしないか？」
「御手杵、ナイ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 「主、茶にしないか？」
「御手杵、ナイスタイミング。
ちょうど仕事が終わった所だったの。」
そうか、茶請けにせんべい持ってきたよ。
そうして主の横に座り、他愛無い話を始める。
昼過ぎの俺の日課だった。
顕現されてから、縁側で庭を眺める主を見かけた時から茶友達になった。
他愛も無い話だが、主はコロコロとよく笑う。
主の笑い声はとても心地いい。
そうやって毎日2人で笑っていた。

「御手杵と主は仲が良いんだな。」
「そうか？まんばもこの前主と話して無かったか？」
「俺は、主がスーツをアルマーニのオーダーメイドにしてくれると言うから、話を聞きに言っただけだ。」
「まだ、そんな事してるのか･･･」
「俺はもう写しが気にならなくなっているのだけれどな、主は本家をからかいたいみたいだな。」
「はは、主らしいな。」
「･･･御手杵は少々主に砕けすぎないか？」
「俺がか？」
「以前聞いた時、主が物思いにふけっていたと。
それで声をかけたんだよな。」
「ああ、そうだが。」
「その時に主の邪魔をしてしまうとは思わなかったのか？」
主の、邪魔？
「ああああああああ、俺はなんて事してまったんだ！」
「いや、決めつけるのは早いが･･･」
「主は1人になりたかったんだ！それを俺は毎日邪魔していたなんて！水を浴びてくる！！」
「おい、御手杵！！
･･･俺は余計な事を言ってしまったのか？」
洗面台に行き、蛇口をあけて頭を突っ込む。
主は1人になりたかったのか･･･
俺は邪魔をするだけでなく主に気を遣わせていたとは。
っ！
「どうした、御手杵？」
「･･･」
「いかにも悩んでますと言う顔をしているな。
自分で良ければ話してみろ。」
蜻蛉切にタオルを渡される。
「実は･･･」
「ふむ、自分は主が迷惑だと言う話は聞いた事が無いがな。」
「そうかも知れないが、以前乱にデリカシーがないと言われたばっかりでな。」
「乱に何を言ったのだ？」
「頬がぷにぷにしてて気持ちいいと言った。」
「ははは、それは流石に乱も怒るだろう。だが、主の話とは別だと思うが･･･」
「こうなったら主に直接聞いてくる。」

「主、主！」
「うわ、ビックリした！」
「御手杵どうしたの？って頭びしょびしょ。
お風呂でも入ったの？」
主は俺の手からタオルを取り、背伸びをして頭を拭きだす。
「あああ！」
「えっ？！なに？」
「い、いい！自分で拭く！！」
「そう？」
頭を拭きながら尋ねる。
「主は毎日･･･」
その先が言葉にならない･･･何故だ？
「毎日･･･なに？」
顔を覗き込んでくる。
主は、もしそうだとしても迷惑だとは言わないだろう。
じゃあ、俺が行動を控えれば良いだけの話だ･･･。
「毎日仕事大変だよな。そう言えば遠征の話があったよな。俺も編成に加えてくれないか？」
「え？なんでいきなり･･･」
「いや、毎日本丸で過ごしていたら腕が鈍ると思ってな。」
「･･･そっか、じゃあ部隊長として頑張って来てください。」
「部隊長？俺がか？」
「はい。」
「分かった、頑張って来るよ。」
そうして俺はしばらく遠征に行く事になった。

「って、なんで三名槍が編成されてるんだ。」
「主は遠征と共にお前の悩みも解決するようにとだな」
「まるで、」
「まるで子供扱いだよね。」
加州がニヤニヤして話し掛けてくる。
「そうとまでは言ってないが･･･」
「でも思ってるんでしょ？顔に出てるよ。」
「確かにその･･･」
子供扱いされていないとは言いきれないが･･･
この胸のモヤモヤはなんだ？スッキリしない。
「俺もそうだけど、御手杵も元の主に似てるよね。
無意識に1番避けようとしてない？」
加州が突っかかってくる。
ただでさえ、モヤモヤしてるのにカチンとくる。
「似てたら悪いのか！」
「御手杵、落ち着け。加州も煽るのをやめてくれ。」
「部隊長がこんなだと、主も悲しむだろうね。」
胸がキュウと苦しくなる。なんだ今のは？
「ま、俺が間抜けな部隊長の代わりに活躍するけどね。」
「あ、ずるーい！僕も活躍して誉貰うんだからね！」
「乱には100年早いかな？」
「加州の方が年下のくせに生意気だよ！」
「誉は俺が！」
そう、主は褒めてくれた。誉を取ったあの日。
また、今度はズキンとする。なんなんだ苦しい･･･。
「「「「御手杵！！！」」」」
俺は倒れていたようだ。
「部隊長がこんな状態だと戦にならない。速やかに本丸に帰るべきだ。」
「だーかーらー、アレは病気でも負傷でもなんでも無いって。」
「しかし、現に御手杵は倒れてだな！」
「加州、蜻蛉切･･･」
「御手杵！大丈夫か？」
「ああ、ここら辺が時々痛むがなんて事は無い。
それより時間遡行軍達の動きは？」
「まだみたいだよ。」
「御手杵大丈夫なの？」
「ああ、今は痛くない。」
「それってさ、モゴ」
加州が乱の口を塞ぐ。
「敵に塩を送ってなんてやらないからね。」
「敵？どこに出た？！」
「これじゃ、送った方が良さそうな気もしてきた･･･」
「なるほど、そういう事でしたか。」
「皆、鶴翼陣だ！隊列を乱すな！
･･･？」
「何笑ってるんだ？」
「なんでも無いよーだ。」

「おかえりなさい、皆無事で良かったよー！」
主が1人ずつ抱きしめる。
皆に抱きつく必要なんてあるのか？
「御手杵もおかえりなさい。って難しい顔してるけど大丈夫だった？」
「いや、俺は負傷した。」
「えっ？！どこ？大丈夫？！！」
「大丈夫じゃない。」
そうして主に背を向けた。が、俺は何を怒ってるんだ？
「誉は俺が取ってきたのに･･･クソっ。」
こういう日は寝るに限る。
晩メシも食べずにさっさと寝る用意をする。
「またムシャクシャしてきた。」
布団を被った。

真夜中、キッチリと腹が空いて目が覚めた。
握り飯でも食うか。
台所へ向かう途中見事な月が見えた。
どこも欠けてない見事な満月。
いや、三日月の方が主は喜ぶのだろうか？
俺の足が自然と主の部屋へ向かう。
主は部屋の前の縁側でやはり1人で月を眺めていた。
「あ、御手杵。もう大丈夫？」
「ああ。」
そうだ、この本丸の主はマイペースなんだから振り回される事は無い。
「ここ座っていいか？」
「うん。綺麗なお月様だよねー。」
「あ、三日月の方が皆喜ぶかもね？」
皆の話とか聞かなくてもいい。多少強引でいい。
この主に仕えるなら。
「膝貸して貰うぞ。」
「え？」
ぼふんと主の膝に頭を乗せる。
「今日は誉を取ったんだから。」
これくらいのご褒美は貰っていいはずだ。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-06-02T23:48:49+09:00</dc:date>
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		<title>二章 ミュンヒハウゼン症候群</title>

		<description>インターフォンで話す声が聞こえてくる。…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ インターフォンで話す声が聞こえてくる。
もう2週間経ったんだと、時の速さにため息が出る。
しかしあのオッサンも飽きもせずによく通うもんだ。
悪い奴では無い、そうなんだが僕にも学校に行けない理由がある。
だが、学年を進級してから半年間ほぼ隔週、登校を促す訳でもなくて世間話をしに通うんだから余程の暇人なのか？
そうしているうちに、扉がノックされる。
「入っていいよ。」
「よっ、久しぶりだな！」
笑顔で担任である男はズカズカと部屋へ入ってくる。
「先生も暇人だね。」
思っていた事を口に出す。
「いや、今週は忙しかったんだよ。
同じクラスの女子が亡くなってな。
それでもここにちゃんと通う俺を褒めて欲しいもんだな。」
「ふーん、そうなんだ。
でも先生はどうせゲームしに来たんだろ？」
「お前なぁ･･･、担任として生徒を心配してる気持ちが伝わらないのか？」
「そういう事はゲームに勝ってから言ってくれよ。
死ぬ程負けず嫌いだから、僕に勝つ為に通ってる癖に。」
勿論、本心ではない。
先生とゲームをするのが楽しくなってきている。
だが、その一面を見せる訳にはいかない。
「まぁ、そういう事でもいいよ。
さぁ、この前の続きするか！」
そうやって恒例の如くこの変わった担任とゲームに勤しんだ。

「拓海、拓海？」
しばらくすると、下の階から声が聞こえてくる。
「お母さんが呼んでるぞ？返事しなくてもいいのか？」
「…」
先生が扉を開けて代わりに返事をする。
「あ、先生。
いえね、遅くなったので先生に夕食を食べていって頂きたいと思いまして。」
「あ、いや大丈夫ですよ。
お気を遣わせて申し訳ありません。」
「でも、もう用意致しましたの。」
「そうですか、すいません。では、いただいて帰ります。」
「拓海、ご飯だとよ。ゲームはおしまいだな。」
「今日も勝てなかったね。」
「今度は修行し直して絶対に勝つからな！」
「あ、負け犬の遠吠えだ。」
「何だと？！ムカつくガキだな！」
そうふざけあって下に降りる。
「あら、楽しそうね。拓海の機嫌良さそうな顔を見れてお母さんも嬉しいわ。」
「…」
「…、拓海も先生もさぁ、座って。」
そうやっていつもの会話が始まる。
「昨日も拓海と一緒に病院に行ってきましたの。
拓海が何も言わないから病院の先生も困ってしまわれて…私が代わりに生活情報を説明してきたんです。」
「そうなんですか、お母さん大変でしたね。」
「いえ、可愛い我が子の為ですもの。
拓海の鬱病が治る為なら何でも致します。」
「本当に優しいお母さんですね。」
「そんな事ないですわ。当然です！」
「本当に凄いですよ。」
これがこの女の正体。
幼い頃体が弱かった僕は、献身的に尽くす母親に感動した。
だが、大きくなるにつれ丈夫な体になってきた僕をある日階段から突き落とした。
当然パニックになったが、その怪我した僕にまた献身的な看護をする。
あれは間違いだったのかと思った。
それがいけなかった。
それから何度か同じ目にあい。
母親がしたと訴えたが誰も信じてくれず、怪我をする位なら。と、病気のフリをして部屋に閉じこもっている。

自分の身を守る方法が当時はこれしか無かった。
それでも薬を多めに食事に入れたれたりして、救急車で運ばれる日々は続いた。
そして、現在の担任に代わってからは自己顕示欲は満たされたのか何もされずにいる。
分かってて通ってるんだか、違うのかは全く読めないが音無先生は恩人である。
その恩人がいきなりこんな事を言い出した。
「先日、クラスでグループLimeを作ったんだがな。
拓海も入れ。」
「は？」
「あら、拓海良かったじゃない！お友達ができるかも知れないわね。」
「QRコード出してくれるか？」
どうしたらいい？いや、でも母親は喜んでいた。
だとすると…
「はい。」
「よっしゃ、あんがとな。
じゃあ招待しとくな。」
「うん…」
そうやって担任は一抹の不安を残して帰って行った…。
「拓海？」
振り返ると、表情が強ばった母親がそこに居た。
「変なお友達とかに虐められたりするといけないから、お母さんにもちゃんと見せてね？」
「うん…」
「拓海は病気なんだから、少しの事でも傷つくでしょ？拓海が傷つくのはお母さんは見たくないの。」
「…」
「だから必ず見せること、分かったわね。」
やっぱり僕には自由など無いらしい。

アプリを開くと予想以上に歓迎の声があった。
おいおい、全く会った事が無い人間をこんなに歓迎するなんて、変わったクラスだな。
挨拶位はしても大丈夫だよな…？
『はじめまして、よろしくお願いします☺』
『拓海君だよな？先生から話は聞いてるよ！
ゲームめちゃくちゃ強いらじーじゃん。
俺らとも対戦してくれよ‪✌︎('ω')✌︎』
『いや、僕は別に強くないよ？先生が弱いだけw』
『今度皆で対戦しよーぜ！
勿論標的は音無にしてwww』
『お前ら大人バカにすんのもいい加減にしろよ？
今度の期末全員赤点にするからな？』
『うわぁ、先生！職権乱用！！
生活指導に屋上でタバコ吸ってんのバラすよ？』
『教師を脅迫するな！』
『とにかく、拓海？
皆お前を待っているんだから良かったら一度学校に来いよ。』
『待ってるよ！』
『待ってるぜ！』
学校か…天井を見上げた。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-06-02T15:08:03+09:00</dc:date>
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		<title>HF 鶴丸国永</title>

		<description>「問おう、お前が俺のマスターか？」
「･…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 「問おう、お前が俺のマスターか？」
「･･･。」
「言ってみたかったんだよ。
これで俺もFateデビューか！
鶴さんも更に人気が出るだろうな！」
「ええと、鶴丸さん？
初めまして、貴方のマスターになる間桐桜と言います。」
「そうか、主よろしく頼む。」
「･･･主？何か良くないものを感じるのだが。」
「まさか聖杯戦争の途中に新たなセイバーを召喚するなんて事態は予想してなかったわ…。」
「鶴丸国永、逃げなさい。」
「誰だ？」
「いいから早く！」
「っ！」
黒い影が襲ってくる。
「メデューサ？私を裏切る気？」
「違います桜。この者は飲み込まなくても桜の力になってくれると思います。」
「鶴丸さん？貴方の綺麗な白色を私も汚したくはないわ。でも膝丸と言うセイバーと同じ考えを持たれたら困るんです。」
「膝丸が来たのか？」
「はい。私が姉さんを許せないと話したら、いきなり切りつけそうな勢いで怒り出して来ました。」
「･･･それで今はどうなっている。」
「･･･言う通りにしてくれる、いい子になってもらいました。」
「久しぶりだな鶴丸国永。」
「おう、膝丸じゃないか？
でも膝丸にしては色素が抜けて･･･これがオルタか。」
「髭切は呼ばれてないのか？」
「･･･考えてみれば兄者など必要ではない。俺は義経の刀だ。俺の元主を死に追いやった、
兄者が顕現したなら殺してやる。」
「ふむ、本来なら源氏兄弟仲を取り持って、歴史を守るのが俺の役割りなんだがな。こういう主を持つのもなかなか刺激的で面白いかも知れん。」
「よし、主命に従おう。」
「本当ですか？信じて良いんですか？
私は･･･私は悪い子なのに･･･」
「信じるがいいとも、俺の主である事は変わらない。主命に従うまでさ。」
「それで主、何をすればいい？」
「先輩がこれ以上戦わなくてもいいように、両足を切断してきてください。
･･･それと、姉さんを殺して･･･」
「姉が居るのか。どのような姉だ？」
「自信に溢れていて、私から何もかも。先輩も奪おうとしている姉さんです。」
「･･･分かった。」
「そこの長身の女、案内と主の姉の容姿の説明をを頼む。」
「分かりました。」
「では、主。行ってくる。」
「気をつけて下さい。」

「･･･貴方は何を考えているのです。」
「いや、今の主に従おうとしてるだけだ。」
「貴方の立ち位置は善です。神性も備えている。
それが真逆の桜の命に従うなど。」
「信じられないか？でも、俺は主に従おうと思った。
俺とは逆の生き方をしてきたんだろうな。
主に幸せになって欲しいと思っている。
これは本当だ。」
「着きました。」
「ここは？」
「アイツベルンの森です。鶴丸国永、貴方とあの人なら、桜を本当に助ける事が出来るかもしれない。
どうか、お気をつけて･･･」
長身の女はとてつもないスピードで駆けていった。
「よし、何かビックリすることがあるかも知れないな、楽しみだ！」
森に足を踏み入れる。
軽く電気を受ける感触。
何者かが張った結界らしい。

なかなか深い森だ。しかし、2時間ほど歩いた頃だろうか。
西洋の神父とやらに出会った。
どうやらサーヴァントやらと対戦中だ。
「そこの西洋坊主、手助けは必要か？」
「誰だか知らんが、断る。」
「戦っている最中に悪いが、衛宮士郎と遠坂凛とやらの居場所は知っているか？」
「ここを道なりに下って行くと居るだろう。」
「そうか、ありがたい。戦況を見るからにここで殺られる玉では無さそうだ。本当に手助けは必要ないな。
検討を祈る。」
「ふん、礼を言っておくとするか。」

何か嫌な予感がする。急いで森を駆け下りる。
俺が辿り着いた時には、少年はが腕を切り落とされているところだった。
「そこの坊主、衛宮士郎か？」
「あなたはだあれ？シロウに何かしたら許さないんだから！」
白い少女が威嚇する。
「そこの少女からも主と同じ霊気を感じるな。
いや、主命で衛宮士郎の足を切り落とせと言われたのでな。」
「貴方はどこのサーヴァント？あなたみたいなイレギュラーは知らない。消えちゃえ！」
「お嬢ちゃん、仮にも神に魔術程度が通用すると思っているのか？」
刀とともに一閃して魔術を断ち切る。
「なっ！」
「･･･アンタは何のサーヴァントなんだ？」
「ほう、腕を切り落とされても口が聞けるか？
俺は鶴丸国永。セイバーのサーヴァントだ。
いや、坊主にしては見所がある。」
「俺の両足を切るのか？」
「それが主命だからな。」
「待ってくれ、俺には守りたい子がいる。
その為には両足は困る･･･せめてもう片方の腕にしてくれ･･･」
「シロウ！何言ってるの！」
「ははは、これはビックリだ！この時代に侍が存在しているとはな！
よし、気に入った助けてやるからもっと俺を驚かせてくれ！」
「は･･･？」
「さっきから何をごちゃごちゃ言っている。
鶴丸国永、我がマスターの命を破るのか？」
「違うさ。もう1人のセイバー。この坊主の足を切り落としたら、主が後悔すると思った。それだけだ。」
「それならば我らと敵対するという事か？」
「俺は主の為を思って。」
「問答無用！！」
「知ってるか？セイバーオルタ。日本刀と言うものは、銃弾さえ真っ二つに切る。
洋刀なぞに負けるわけは無いのさ！」
「さっさと逃げろ！！」
「助かった。後で教会で落ち合いましょう！」
「分かった。」
そうして何十合、何百合と打ち合う。
そして小さいヒビを入れることに成功したので、俺も山を駆け下りた。

「手入れ部屋は無いのか？」
「初めて聞く名前ね。魔力供給だけでは足りないの？」
赤い服を着た少女が言う。
「分からん、そもそも俺は付喪神として顕現したので召喚とやらが適応しているかどうかが分からん。」
「それと、少々尋ねたいが君の名前は遠坂凛か？」
「あら、自己紹介したかしら？」
「主命で殺すように命じられたんだがな、こんな状態ではそれもままならん。」
「ふーん、桜がねぇ･･･」
「兄弟仲がいい膝丸でさえも兄を憎んでいた。
何か心当たりはあるのか？」
「ちょっと色々ね。因縁が深いのよ。」
「ほう、凛は殺される程の怨みを買っていたのか。」
山中で見かけた神父が少年の移植を終えて顔を出した。
「ちょっと綺礼、誤解を招くような言い方はやめて。
鶴丸、確かに私は選ばれてあの子は選ばれなかった。
そのせいで桜を苦しめたのは確かよ。」
「謝りはしないのか？」
「謝られた方が屈辱だって事あるでしょ？
私が謝る事によってあの子の生きてきた人生全て否定してしまうから、謝罪はしないわ。」
「なるほどな。」
「さて、鶴丸国永。貴様の手当てを行おう。」
「そりゃ助かる。それと、1つ願いがあるんだが。」
「なんだ、言ってみろ。」
「実はー」
「はぁ？アンタ正気なの？そんな事出来るわけ無いじゃない！」
「いや、可能性はある。苦痛を伴うかもしれん。
それでも良いのか？」
「構わない。」
「よし、ではまず手入れをしよう。」
「ありがとうな。神父よ。」
「言峰綺礼だ。そう呼んでくれ。」

「その布を取っちゃダメ、シロウ。」
「イリヤか。俺はどうし！」
「シロウ、じっとしてて。」
「はぁ･･･はぁ。」
「イリヤ･･･セイバー以外に新たな繋がりが出来てるんだが。」
「イレギュラーの鶴丸国永がシロウの刀剣男子になったの。」
「鶴丸国永ってあの白いサーヴァント･･･」
「違うわ。桜にとってはサーヴァントだけれど、シロウにとっては刀剣男子よ。
付喪神として顕現しているの。」
「マスターと主がいる状態なのか？」
「本人が望んだの。」
「よっ、主。怪我の調子はどうだ？」
「鶴丸国永、桜を裏切るのか？」
「裏切ってはいない。マスターの思ってこその行動だ。」
「裏切ってはいないんだな。」
「ああ。」
「なら桜の元に戻ってくれ。」
「その前に、この2振りを『とうえい』とやらをしてくれ。」
「鶴丸国永･･･」
「俺が2振りあれば、やすやすと向こうの勝算が上がることは無かろう。」
「分かった。
･･･投影、開始！(トレース、オン！)」
主は写しでもない贋作でも無い、心を持ったこぴーを顕現してくれた。
「衛宮士郎！お前は凄いな！
ここに来てからビックリさせられっぱなしだが、ここからは俺がビックリさせてやろう！
まぁ見ていな！」
そうして部屋を後にする。
「鶴丸国永のサーヴァント、アナタは今から何処に行くの？」
少女が大人びた声で聞く。
「なぁに決まっているだろう？
マスターの元に戻るだけさ。」

マスターは柳洞寺の地下にいた。
魔力のバイパスは繋がっているので、見つけるのは容易かった。
「鶴丸国永、なんで先輩の足を切断してくれなかったんですか？
なんで姉さんを生かしておいたんですか？」
「俺は主とマスターと決めた物の為に戦う。
マスターを救いたいと言う少年の為に戻ってきたのさ。」
「少年･･･先輩ですか･･･？」
「あの者は俺の主となった。
サーヴァントでは神格が下がるが、主ができた今神格は元に戻った。
後はマスターの中にある禍々しい物を取り除けば･･･」
「なんで、なんで先輩が戦わない為に私が決めた事なのに！
先輩も貴方も、それでも私を否定するんですね･･･」
「全て姉さんのせい･･･」
主に禍々しい気が集まり始める。これは困った！
地雷を踏むとはこういう事か！
「マスターが完全体になるまで俺が相手をしよう。」
「おっと、膝丸か！」
「残念だがお前の相手はコイツに任せるぜ！」
「え･･･と、ひ･･･？」
「膝丸だ！兄者！」
「なぜ？兄者がここに居る？！」
「とうえい魔術とやらだ。はは！凄いよなほぼ本物だ！！」
「いつかこんな日が来るとは思っていたよ。
僕の元主のしでかした事は許される事じゃない。
さあ、弟と言えども容赦はしないよ？
思う存分手合せするとしよう。」
「手合せなどとぬるい事を言うな！
そっちがその気なら俺も容赦はせん！行くぞ兄者！」
「髭切、頼んだぞ！」
「ああ。」

「アレはなに？あんなのが召喚されてたなんて聞いてない！」
「髭切か？アイツは膝丸の兄だ。
マスターと凛と同じく兄弟でありながら因縁の仲だが、闇堕ちする前は兄を慕っていた。」
「･･･姉さんの事を諭す為に呼んだの？」
「いや違う。」
「姉さんは、辛い時にいつも助けてくれなかった･･･」
「マスター！それ以上はダメだ！」
「桜！」
長身の女が駆け寄ろうとするが、何かに気が付いて後ろに飛ぶ。
なんだ？この海月の様な黒い生き物は？
全てを食べ尽くそうと触手がうねる。
取り込まれたら終わりだ。
この時のためにもう1振り用意してもらった！
伝承のみだから顕現はしなかったが、効果はある筈だ。
ひらりと跳びマスターに切りかかる。
黒い触手が綻び四散する。やはり効果はあるみたいだ。
「そ、れ･･･こわ、す。」
触手が全て剣を狙って襲い掛かるが、俺は鶴丸国永の刀剣だと言うことまで頭が回らないらしい。
全て切り落とす。
「神話に出てくるくらい、禍々しいと思ったがやはりそうだったみたいだな。しかし俺には勝てまい。
何せ鶴丸国永が天叢雲剣を操っているのだからな！」
長身の女がこちらを向き直る。
「貴方はマスターである桜に刃を向けるのですか？」
「おいおい、それは違うぜ？
マスターの邪気を神剣で切り落とすだけだ。
人間の身体に危害は加えない筈だ。」
「それは真実ですか？」
「俺はビックリさせるのは得意だが、嘘は好きじゃない。真実だ。」
「分かりました。それでは私も協力します。
私に捕まっ、」
「危ない！！」
長身の女に伸びてきた触手を次々と切り落とす。
この女も、敵とみなしたのか？
パキッ！
慌てて音のした方を振り返る。
やはりコピーでは限界があるのか！
後一撃分しかもたない、もたないのだが足元に黒い泥が広がって来る。
あれに飲まれたら、膝丸のようになってしまう。
だが、飛んだとしてもマスターに届く距離では無い。
「くっ！」
「鶴丸国永、私に捕まって下さい。」
「こんな状況で、女に抱きつく趣味は無いが。」
「私の宝具で桜の所まで飛びます。後は貴方が、桜を元に戻してあげて下さい。」
「ほう、サーヴァントならではの宝具か！
よし分かった！」
「決して離さないように。では行きます。」
「騎英の手綱！(ベルレフォーン！)」
「ここだ！」
長身の女の宝具は桜に向かって一直線に飛ぶ。
ぶつかる寸前に振りかぶって会心の一撃をくらわせた。
「あ、あ･･･ライダー･･･」
「桜！意識が元に！」
「そう。でも残念だったわね･･･心臓に住み着いているお爺様がいる限り、聖杯がこの身に埋め込まれている限り･･･」
「私は何者にも敗れたりしない。」
「思ったよりも禍々しい物だったか！」
「アンリマユ、この世全ての悪を相手にたかだか1振りの刀といち英霊如きが何をしたって無駄なんです。」
「ここまで、か。」
足元から黒い泥が浸食してくる。
「はは、白さがウリなのに黒くなるなんてな。
光坊や伽羅坊もビックリするだろうな。」
「鶴丸国永ー！！！」
何かが投げられる。受け取るとその刀剣は石切丸だった。
「そうか、神代の刀剣に頼ろうとせずに」
「はい、私に頼れば良かったのです。」
「じゃあ、2人で祓清とするか！」
「顕現されてない身なれど、力をお貸しします。」
「祓いたまえ！清めたまえ！」
「うぉりゃあぁぁぁ！！」
マスターの心臓に刃を突き刺す。
何かを潰す手応えはあった！
「いやぁああああああああぁぁぁ！」
ゴフッと、マスターは血を吐き出す。
ダメージは与えられたが清めきっていない。
「桜！」
主が駆け寄る。
マスターを抱き締め、涙を流し
「悪い子だったら俺がいくらでも叱ってやる！
俺は桜の味方になると決めたんだ。
ずっと傍にいる。
だから、負けるな！」
「せん、ぱい。」
「いやぁ、青春だな。」
「鶴丸国永、冷やかすものではありませんよ。
とても美しい光景です。」
「しかし、このままでは又元に戻ってしまう。
聖杯とやらを取り除く方法を考えなければ･･･」
「その必要はありません。髭切、鶴丸国永、石切丸。そして、シロウ、本当に良くやりました。」
「イリヤ･･･その格好は･･･？」
「正しき聖杯としての役目を果たしに来ました。」
「これで桜は救われます。」
白い少女が微笑む。
「しかし、それだとイリヤは！」
「私はこの為だけに産まれて来たんです。」
「髭切、膝丸、ライダー、桜とシロウを連れて逃げて下さい。」
「鶴丸国永はもう一度天叢雲剣で、聖杯を真っ二つにしてくれますか？」
「お嬢ちゃんを斬れと？」
「はい、お願いします。」
「分かった。」
「主、もう一度『とうえい』をしてくれ。」
「そんな事、そんな事出来るわけ無いじゃないか？！」
「イリヤ、他の方法を探すから！」
「シロウ、お姉ちゃんの言う事はちゃんと聞いて。」
少女が柔らかく微笑む。
主が『とうえい』で天叢雲剣を作る。
「では行きます。皆さんちゃんと捕まっていて下さい。」
俺と少女が残された。
「鶴丸国永、シロウの事は主としてこれからも守ってくれるかな？」
「あぁ、いいぜ。」
「武家屋敷に、住んでるらしいな。それなら他の刀剣も顕現させて」
皆で辛い思いもする間も無い位に毎日騒ぎ立ててやる。
涙が溢れて言葉は出なかった。
「ありがとう。」
俺は聖杯に向かって振りかぶった。

あの後、地下空洞は崩壊した。
衛宮低は誠に立派な武家屋敷だった。
すぐに時の政府から通達がきて、衛宮士郎は立派な審神者へとなった。
刀と相性がいいと言っていたが、確かにどの刀剣男子ともすぐに打ち解けていた。
「主。」
「石切丸か！どうした？」
「無理して笑わなくてもいいのですよ？見ている方が辛くなります。
マスターが目覚めないのが気にかかるのでしょう？」
「それもあるけど、イリヤや鶴丸国永の事も･･･な。」
「だけど笑ってたら桜は目覚めて、イリヤもいつの間にか帰ってくるような気がするんだ。」
「主･･･」
「いや、イリヤや鶴丸はもう無理だと分かっているけど、どうしても。」
「主のしたいようにすればいいでしょう。」
「そうだな。桜の様子を見に行こう。」

「桜、ライダー、入るぞ。」
「士郎、どうぞ。」
「ああ、桜の様子を見に来たんだが。」
「桜は相変わらず･･･」
「そうだな。でも怪我の様子も良くなってきているみたいだ。安心したよ。」
「もう、目覚めても良い頃だと思うのですが･･･」
「･･･ん。」
「？！」
「桜？桜！目が覚めたのか？！！」
「先輩･･･」
「良かった！桜！！」
少年は少女を抱き締める。
「先輩･･･私は悪い子でした。怒ってください･･･」
目に涙を浮かべて糾弾しろと少女は言う。
「後でいくらでも怒ってやる。それよりまず安静にしないと･･･」
「先輩？今からもっと先輩に怒られる事をするかも知れません。
でも、今どうしても助けないといけないから･･･」
「助ける？イリヤか？！鶴丸か？！」
「イリヤちゃんは無理ですが･･･」
「鶴丸だけでも、助かるのなら怒らないさ。」
「ありがとうございます。
ー令呪をもって命令する。鶴丸国永、現れてくださいー」
シャランと言う音と共に、鶴丸国永がボロボロの姿で現れる。
「はは俺みたいのが来て驚いたか？
早速だが、手入れ部屋に入りたいんだが。」
力無く笑う。
「ああ、俺も手伝うよ。」
「主、すまないな。」
「マスター、ただいま。」
「鶴丸国永、帰ってきてくれて本当に嬉しいです。」
俺をサーヴァントとして呼び出した少女は抱きついてきて泣き出した。
勿論、主は何か言いたそうな目で睨んでいたが。
視線を軽く躱し、マスターの頭を撫でる事にしてやろう。
遠くの方で髭切と膝丸の笑う姿が見えた。
この本丸は普通では考えられない驚きに満ちた日々になりそうだ。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-06-02T12:35:27+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://tayura082.novel.wox.cc/entry18.html">
		<link>https://tayura082.novel.wox.cc/entry18.html</link>
		
				
		<title>初期刀『歌仙兼定』</title>

		<description>「初期刀はこの5振りです。どれか1振り選…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 「初期刀はこの5振りです。どれか1振り選んで下さい。」
こんのすけとか言う、神の化身だろうか？
狐に言われた。
見た目･･･は皆さんお綺麗で。流石付喪神。
肝心なのはどういう刀なのかと言う事。
スマホで調べてみる。
あ、良かった電波は通じる。
あ、歌仙兼定は縁があるみたい･･･。
「歌仙兼定にします。」
「分かりました。それではＮｏ．四十二には歌仙兼定を。」
歌仙兼定と言う、刀の付喪神が私の傍に来た。
「僕は歌仙兼定。風流を愛する名刀さ。どうぞよろしく」
「よろしく。私は貴方と縁のある者です。」
2人笑顔で握手をする。
「では君、用意は出来たかい？」
「なんの？」
「今から生き残る為の用意さ。」
「え？」
その時、明かりが全部消えてしまい真っ暗になる。
「なに？」
「皆様に説明させて頂きます。」
あの狐の声だ。
「皆様が審神者になるには、刀剣と言えども生身の肉体を持った時間遡行軍を殺さなければいけません。
又、皆様が選んだ初期刀や鍛刀にて本丸に来る刀剣達を時には傷付けたりする事になります。」
「なので、刀剣達の気持ちをよりよく理解する優秀な主になる為に、バーチャルですが殺し合いをして頂きます。」
いつの間にか周りに人が居たみたいで、ざわつく。
「大丈夫です。何があっても死ぬ事はありませんが、現実と同じく痛みは伴います。
さぁ、審神者候補生の皆さん殺しあって下さい。」
電気が一斉に灯る。
「先手必勝だね。」
私が選んだ初期刀、歌仙兼定はすぐ横にいた男性を袈裟斬りにしていた。
「うわぁあああ！痛い！痛いぃいぃいいいい！」
その審神者候補を庇おうとする初期刀の1振り。
山姥切国広とか言う刀は歌仙の刀を受けて流してその反動で歌仙に切りかかる。
「危ない！」
咄嗟に山姥切に体当たりする。
私が攻撃して来ないと思ってたのか、油断したみたいでよろける。
歌仙は山姥切の刀の横を柄で叩きつける。
パキン。
そう音がしたと思ったら、山姥切国広の身体と顔にヒビが入って崩れ落ちた。
「ひぃ！」
「後は。」歌仙は当然のようにその主の元へ行き、私を呼ぶ。
近づくと日本刀を渡された。
「審神者になる主は、主自身がトドメを刺さないといけないんだよ？」
私が･･･、今までに起きた光景を見てるだけでも吐き気をもよおしてるのに？
トドメ･･･「無理、だよ。」
「そうなると、審神者失格者として僕に殺されるんだけど。死にたくは無いだろう？」
「殺さなければ･･･コロさレる。」死にたくはない。
痛い思いも嫌だ。
カタカタ震える手で刀を力の限り振り下ろし、男性の顔を真っ二つにした。

そういうやり取りは、殺し合いを開始した時点であちこちで始まって居たようだが、周りを見る余裕はない。
「かせ、ん。吐きそう。」
「それはいけないね。じゃあすぐにここから避難しようか。」
歌仙は私を横抱きにして、皆から遠く離れた場所に連れて行ってくれた。

連れて行かれた場所はトイレでは無く、庭かどこかだった。
胃の中が全部逆流する。吐く物が無くなっても吐き続けた。
切りつけた感触。人間の中身。思い出すと又吐き気をもよおす。
落ち着くまで時間がかかったが、とりあえず今の状況を把握しなければ。
「歌仙？」
「なんだい？」
「私達は審神者では無く、審神者候補だと言っていたけれど。」
「そうだよ。」
「審神者候補で殺し合いを必ずしないと審神者にはなれないの？」
「そうだね。少し前からそういう風に変わってしまったね。」
「その前は違ったの？」
「審神者の中には、僕達刀剣が破壊されても何も感じずにそれでも刀剣破壊を繰り返す人間が増えてきてね。」
「それで、僕達が傷ついた痛み。敵を殺す覚悟を知ってもらう為にこういうシステムを試してみる事になったんだよ。」
「刀剣破壊を繰り返す･･･それは確かに酷いけど。」
「平和な世界でぬくぬく生きてきた私達に、人を殺すこと、殺される事を知れって言うこと？」
その時、鈍い光が一瞬煌めいた。
「おっと！」
歌仙が刀を受け止める。
「奇襲したつもりかい？それはどちらかと言うと加州清光の方が向いていると思うけどね？」
「ちっ。」
そちらを向くとキラキラした鎧を身にまとった刀剣がいた。
確か、蜂須賀虎徹だった様な気がする。
歌仙が蜂須賀と剣技を交わす。
油断だった。思わず見とれてしまっていた。すると、
「ばーか、死んじゃえ！！」
後ろに気配がして殺気を感じる。思わず身を逸らすと、振り下ろした岩が腕に当たる。
「っーー！！」
腕は折れたと思うけど、今はそんな場合では無い。
低く構えて体当たりをする。
岩が落ちた。痛いのを我慢してその岩を拾い、少女の頭目がけて振り下ろした。
「はちす、か･･･」
少女が渾身の力を絞って初期刀を、呼び戻すが歌仙が応戦中なので主の元へは戻れない。
殺さなければ殺される。私がトドメを刺さないと、私が歌仙に殺される。
でもー
「たす、けて。お願い、何でもするから！
お願いお願いお願いお願い助けて、助けてたすけ」
私は岩を捨てた。
「ありがー」少女は涙を浮かべ絶望を知る。
より大きい岩を拾い、少女頭部目がけて投げつけられる。完全に頭は潰れ、目玉が足元に転がってくる。
それを踏み潰した。大きいイクラの様な感触で気持ち悪いが、生き残る為にどんな事でもする覚悟が決まった。
「蜂須賀虎徹！」
「何だろうか？」
多少暗い顔をしているが、彼も壊されたくはない筈だ。
「貴方の主は死んだ。今から私の所持刀になりなさい。」
「ふふっ、どうも僕の主は情け深いと言うより抜け目が無いみたいだねぇ。」
蜂須賀は屈辱的な表情をしていたが、決断をしたかのように顔を上げて
「分かった。」
と言った。

「あの場には六十名近く居たと思う。だが最初の殺し合いでかなり減っているはずだ。」
「蜂須賀、ありがとう。各刀の性格とかあるの？」
「そうだね。陸奥守吉行は割と大らかな性格だね。加州清光は新撰組の刀だから打ち合いにはならないだろう。突きで狙って来るだろう。山姥切国広は真面目故制し易いとは思うけどね。」
「そう、じゃあ加州と陸奥守が手を組んだとしたら。」
「ちょっと厄介かも知れないね。」
「褒めて貰っちゃあ、照れちゃうね！」
私の額目がけて突きが飛んできた。
一瞬！
その間に蜂須賀が刀を払う。が、軌道はズレて蜂須賀の肩を貫く。
「蜂須賀！」
「俺の事はどうでもいい、銃弾に気を付けろ！！」
蜂須賀の忠告と同時にこめかみに銃弾がかする。
すんでの所で歌仙が腕を引っ張ってくれたのだ。
「主は隠れて！！」
「分かった！」
まさか本当に歌仙の言っていた2振りが手を組んでいたとは。
「はい、そこまで！」
刀を持った女性があらわれる。
「油断した？陸奥守から、刀だけ借りたんだよね。」
なんで、なんで！！
「貴女の初期刀と所持刀は貰ってあげる。じゃあね、お間抜けさん。」
一か八かで足払いをかける。
「え？」引っかかってくれた、刀を奪い取ろうとするが向こうも握る手に力を入れる。
このままじゃ体力勝負になる。が、蜂須賀は負傷してるし陸奥守には銃がある。
圧倒的にこっちが劣勢だ！
絶対に死ぬもんか！
刀傷を負うのを覚悟して、相手の手に噛み付く。
絶対に、絶対に私は負けない！！！
手の甲の肉を噛みちぎる。
「いやぁあああ、痛い痛い！！何をする、」
ほざいている暇なんて無いのに愚かな女。
奪い取った刀、陸奥守で女の喉を突き刺した。
「又所持刀増えちゃったね。これで負ける事なんて無いでしょ？」
「うふふ、うふふふふ！」

その後は簡単だった。
もう戸惑いも、常識も何も無い。
私が最後まで生き残る為だったら何でもしてやる！
バーチャルだとしても、死ぬ程の痛みになんて耐える気も無い。
4振りを従えた私は最強だった。
「これで最後の一人ね。」
歌仙の刀剣で心臓を貫く。
「さぁ、全て終わったみたいだからモニタールームに帰ろう。」
「主、お疲れ様。」
生き残った事をもっと褒め称えてくれると思ったが、どの刀剣も静かだった。
部屋へ向かう最中も静まり返ったままだ。
でも、生き残った事を何より誇らしく思えて、私はささいな違和感に気づかなかった。
部屋に足を踏み入れる。
「おめでとうございます！」
甲高い声で祝福される。
「貴女が最後の審神者候補となりました。」
「皆殺したわ。傷も負った。これがあなた達の目的なんでしょ？だったら私を」
特別な審神者にして欲しい。そう言おうとした時、胸に鋭い痛みが走る。
「主、ごめんね。この審査は命のやり取りをする状況でも、如何に正気を保ってられるか？
それが1番の基準だったんだ。」
「そうです。貴女は狂気に走ってしまった。命の大切さを見失った人間は審神者には向きません。
なので、死んで頂きます。」
疑問を口にしようとするが、口から血がゴフゴフ溢れてきて言葉にならない。
「それと、最初にバーチャルだと説明しましたがあれは嘘です。貴女が殺した人達の分だけ報いを受けて下さい。」
待って･･･そんな。
「一時だけだったけど、主であるあなたが苦しまないようにー」
そうして、4振りの刀が私の身体を貫き息途絶えた。

「やっぱり、このシステムに問題があるんじゃないかな？」
「確かに。皆狂気に走りすぎぜよ。」
「でも、こうでもしないとその人間の本質は見極められませんからね。」
「こんのすけ、今日生まれた主は何人だった？」
「今日は3人でした。」
「僕を初期刀として扱ってくれる主はどこにいるんだろうね･･･」
「気長に待つしか無いだろう。」
「そうだね。」

「初期刀はこの5振りです。どれか1振り選んで下さい。」
「歌仙にします！5振り共調べて、歌仙だと決めてたんです！」
「僕は歌仙兼定。風流を愛する名刀さ。どうぞよろしく」
「よろしく歌仙、立派な主になれるように頑張るね！」
「あぁ、そうだね。立派な主になってくれるのを楽しみにしてるよ。」 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-05-30T00:45:38+09:00</dc:date>
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	<item rdf:about="https://tayura082.novel.wox.cc/entry17.html">
		<link>https://tayura082.novel.wox.cc/entry17.html</link>
		
				
		<title>刀解『加州清光』</title>

		<description>俺が現れた時には、主の横には歌仙が居て…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 俺が現れた時には、主の横には歌仙が居てその時に初期刀でない事を知った。
俺の事知らないのかな？最初はそんな程度だったが主を知れば知るほど、なぜ俺を選んでくれなかったのか気になった。
そんなある日、主に呼び出される。
「加州、早く出来ないのかな？」
「ちょっと待って歌仙、ネイルが乾くまで。
そんなに時間はかからないから！」
「しょうがないなぁ。少しだけだよ？」
「はーい。」
近侍の余裕ってやつかな？初期刀で近侍だから愛されてるよね。そう思いながら速乾スプレーを振りかける。
「ねぇ、歌仙もネイルとかしてみない？」
「僕は料理当番が多いからお断りしておくよ。食器洗いとかすぐに剥がれてしまいそうだしね。」
「ふーん、そっか。」
「うん、もう表面は乾いたから後は触らないようにするだけ…歌仙、もういいよ。」
「じゃあ、行こうか。」
歌仙と2人で主の部屋へ行く。
「主、連れてきました。」
「入って。」
襖を開けると、真っ暗な部屋の中でライトをつけてしょるいを作成しているのだろうか？
「主、電気くらいはつけて下さい。」
「暗い方が頭が冴えるの。」
ここに来てから、進んで主の事を知ろうとはしなかったけど変わり者みたいだね。
俺は、俺を可愛がってくれなきゃ興味が湧かない。
「それで？主なんの用？」
「あぁ清光。」主は眼鏡を置いて
「今日から清光に近侍になってもらおうと思って。
どう？嫌かな？」
やっと主も俺が可愛いって気づいてくれたのかな？
って言ってももう遅いけど。
「主ごめんね、俺はー」
「加州、主に向かって失礼だと思うよ？」
「･･･清光、主命です。」
そうして主の近侍になる事になった。

近侍って言っても殆ど何もする事が無く、主の部屋でお手入れとかしてる日々だった。
「清光はいつも可愛くしてるよね。
私も可愛くしないとダメかな？」
「主は･･･ごめん、よく分からない。」
顔にかかってる紙のせいかな？主の姿は分からない。
初期刀や初鍛刀位になると、どんな姿が分かるらしいけど、俺は興味無い。
「分からなくてもいいよ。私は清光にとってはそういう存在だろうから。」と、意味深な事を言った。
露骨に態度に出ていたのだろうか？
少しだけ、控えるようにしよう。

「清光？」
「なぁに？」
「初出陣の部隊長お願いしてもいいかな？」
「別にいいけど？どんな顔触れ？」
「乱、歌仙、厚、大倶利伽羅、堀川」
げっ！主のお気に入りの刀剣達じゃん。
「あー･･･俺には荷が重いかなぁ･･･」
「清光？」
「はいはい、どうせ主命とか言うんでしょ？
分かったよ。」
「じゃあ皆を集めて出陣してきてください。」
「場所は？」
「池田屋です。」
「嫌だ、行きたくない。」
「清光。」
「あの光景を知らないから出陣しろとか言えるんだろうね。
元主や敵の血の温かさ、元主の弱っていく様子、切りつけた感触そして、」
「自分が折れた感覚？」
「ーつっ！！」
「清光、出陣してそれを乗り越えてきてください。」
「簡単に言ってくれるね･･･」
「自分が折れる事がどんな事だか分からないくせに。それを乗り越えろとか、俺の事を考えてくれるならそんな事を言える訳ないよ。」
くるりと主に背を向けて、歩き出す。
「きよみ、つ」
「ここの本丸から出ていく。」
「待って！」
返事もせずに主の部屋から出る。
この本丸から出ていく、その決心は変わらない。
でも俺1人じゃダメだ。
誰か協力者が･･･
「話は聞いていたよ？
僕達が力になってあげるよ。」
「燭台切、それに大倶利伽羅」

「確かに自分が折れる姿は見たくないだろうからね。」
「主が何を考えてるのかが分からない。」
「確かにね、でもその前に加州君が主の事をどう思っているの？」
「俺ー？」
「僕からしたら、主にそもそも興味が無い感じがするから珍しいな。って思ってたんだよ。」
「俺達からしたら、主の存在は特別だからな。」
「でも、その割にはネイルやお手入れして綺麗にしてるよね。」
「ー！！！」
燭台切や、大倶利伽羅から見ても俺が何をしたかったのかがバレている。
急激に恥ずかしくなる。
「初期刀に選ばれなかった事がそんなに屈辱だったか？」
「･･･確かにね。後で新撰組が好きだって分かったら、尚更なぜ俺を初期刀に選んでくれなかったのかずっと疑問だった。」
「加州君が毎日お手入れしていても、可愛がってくれない主を恨んだ？」
「恨んではいないよ？ただ、どれだけお手入れしても虚しくはなってきたかな？」
「お前の言い分は子供じみている。でも、俺達はもう物では無い。お前の意思を尊重する。」
･･･燭台切も、大倶利伽羅も可愛がられてるイメージがあったけど、俺みたいに主に不満でもあるのかな？
「俺の意思は、もう主とは歯車が噛み合って無いんだと思う。だから本丸からやっぱり出ていく。」
「分かった、だそうだ。」
すると、物陰から人が出てくる。
「清光がそう決めたんならしょうがないよね。
辛い思いさせてごめんね、清光。」
「主･･･」
主はその後も何も言わずに、俺が本丸から出ていく準備をしてくれた。
こんのすけにも確認されたが、決意は変わらなかった。

そんなある日、主の部屋の前を通ると話し声が聞こえてきた。
甲高い声。相手はこんのすけか？
「･･･から、あの加州清光はバグみたいなものなのです。」
「？！」
思わず物陰に隠れる。
「加州清光と言う存在は、1度折れています。
そのトラウマがあるが為に、主に見捨てられないように、可愛く手入れしたりどの刀剣男子よりも主に対しての想いが強くなければいけません。」
「だかしかし、この本丸での加州清光は主に対しての想いは強いけれど、主を拒んだので処分するべきだと、時の政府のご意見です。」
「処分･･･」
「主自らの手で刀解して頂きたく存じます。」
「それは･･･それは出来ない･･･」
「加州清光は仮にも神であります。勿論ただの人間なぞその気になれば。」
「清光は！･･･清光はそんな事はしない･･･
それに、それに身体を伴って尚同じ思いをさせるなんて出来ない･･･」
「しかし、主命も守らない付喪神が暴走する恐れもあります。」
「なので、加州清光を刀解しない場合はこの本丸をー」
潰すだって？！
突然肩を掴まれた。
声が出そうな所をすんでのところで我慢した。
振り返ると大倶利伽羅がそこにいた。
2人で人気の無い所に移動する。
「俺と光忠は、以前から時の政府側の話を聞いていた。」
「だから2人共俺に協力してくれようとしたんだね。」
「俺達は、消える気もない。主も必ず守る。
だからお前は逃げろ。」
「･･･」
「何を迷っている。お前は壊されるんだぞ？」
「でも、それだと･･･」
「主の初期刀は、別に和泉守兼定と同じ兼定だから歌仙が選ばれた訳じゃない。」
「違うの？」
「主の家系が、歌仙の元主と遠い縁があったそうだ。」
「そう、だったんだ･･･」
「加州が主を避けだした頃から、主は時の政府に相談していたが･･･」
「俺を刀解したらどうなるの？」
「･･･又鍛刀にて顕現する。が、今の記憶は全て無くなっているそうだ。」
「そう、か。」
「時の政府が言い渡した期間は後3日だ。」
「それまでに何としてもお前を逃がす。俺達に任せろ。」
「あんな奴らの思い通りにはならない。」

3人で逃げる手筈を整える。
刀解直前に2人が主を一時だけ人質にして逃げ道を与えてくれる。
それからこの転移装置まで来て。
好きな時代まで逃げる。
逃げる先は新撰組が発足した時代かな？
その後が気になったけど、とにかく俺は刀解されずに済む。
ーその後の本丸がどうなるかは分かってる。
でも、肉体を持って更に折れることが死ぬ事だと理解でき、本当に恐ろしいと感じてしまってる。
「俺、結構臆病者だったんだな･･･」
「清光？」
俺をそう呼ぶ人は限られてる。
「主？」
「･･･あのね、清光にずっと伝えたい事があって。」
なんだろ？明日の事かな？いや、まさかそれは絶対に言わないはず･･･
「･･･清光可愛いよ。清光は本当に可愛い。」
「！」
「本当に可愛い･･･ごめんね･･･」
主は踵を返して自分の部屋に戻った。が泣いていた。
「主も選択を迫られてたんだ･･･俺みたいな刀とっくに見捨ててるんだと思ってた。」
でも違った。泣いていた。俺の為に･･･。
明日、俺は決断出来るのだろうか？
俺を庇うためにどうなるのか分からない、燭台切、大倶利伽羅、そして主。
頭が混乱して分からなくなってきた。

朝、甲高い声で
「加州清光、さあ起きて下さい！」
と起こされる。
「貴方が本丸を出て行く日です。着いてきてください。」
こんのすけの後を着いていく。
鍛刀部屋に着いた。
主や燭台切、大倶利伽羅や他の連中も揃ってる。
この人数を2人で抑える事ができるのか？
「貴方には刀解してもらいます。なぁに大丈夫です。
今の身体は無くなりますが、神としての霊気は次の加州清光に降りるのですから！」
「やなこった。」
打ち合わせをしていた2人と目を合わす。が、2人は何故か目を逸らした。
「ごめんね、元々僕達はこちら側なんだよ。」
と、燭台切が主の首元に刃をあてる。
「お前が聞かなくてもいい話を聞いたせいで、余計な手間がかかった。」
「燭台切･･･大倶利伽羅･･･」
「僕も主殺しの罪は着たく無いんだけど、こうでもしないと僕達全員壊されるからね。」
「主の変えは用意してくれるみたいだから。」
「な･･･」
「光忠も大倶利伽羅も何を言ってるの？」
「君は知らなくてもいい話だよ？
さぁ、彼に炎の中に飛び込むように命じて？」
「なんで光忠がそんな事を知ってるの？･･･なんで私を殺そうと･･･？」
あ、主が泣きそうな顔になってる。俺はあんまり主の泣き顔好きじゃないんだけどな。
「キミは、僕達全員の命と加州君の命とどっちが大事なの？、」
「･･･ない。」
「え？」
「どっちの方が大事とか、そんなんじゃない！！」
「皆大事なんだよ、全員に消えて欲しくない！
なんで誰かが傷つく選択をしなくちゃならないの？！
私は誰も傷つけたくない！
それならいっその事私の首を跳ねなさい！」
「それが主としての答えですね。じゃあ燭台切光忠、主の首を跳ねてしまってください。」
「･･･そうしたいけど、何でなんだろうね？腕が思うように言う事を聞いてくれないよ･･･。」
「では、大倶利伽羅お願い致します。」
「･･･俺も主の気持ちに触れて使い物になりそうに無いみたいだ。」
2人の目には涙が溢れている。
やっぱり皆主が好きなんだな。今の俺にもようやく分かる。
「困りましたね、それではこの本丸を解体するという事になりますね。」
「おい、クソ狐。」
「私の事でしょうか？」
「お望み通り消えてやるよ。」
主の方に向き直ると、既に涙が次々に零れている。
お互いに不器用だったね。
「主！次会った時もちゃんと可愛いって言ってね！」
そうしてふわっと後ろ向きに飛んだ。
体が赤と青の炎に包まれる。
「清光！！
いゃああぁぁああああああああああああああああ！！」

目が覚めると、眩しい光に包まれていた。
「起きたか。」
あれ？この声は大倶利伽羅？
俺は確か刀解されたんじゃ･･･？
「先に、裏切るような事をして悪かった。」
「･･･いいよ。本丸と天秤にかけられたんじゃしょうがないよ。」
「とりあえずここでゆっくりしていろ。光忠に報告してくる。」
「ここは？」
「手入れ部屋だ。」
鍛刀部屋じゃなくて、手入れ部屋？
何が何だか分からない。
廊下の向こうから走る音が聞こえてきた。
「加州君、やっとおきてくれたんだ！良かったよ成功して！」
燭台切が、涙ぐんで手を握る。
「なんで俺が手入れ部屋にいるのか、説明してくれないか？」燭台切が話し始めた。
あの後すぐに、皆を振り払って炎で焼け落ちる前の俺を主が素手で取り出したらしい。
僅かの刀身であった鋼と新しい鋼を足して、殆ど鍛刀に近い事をしたらしい。
それは成功で、俺は意識もしっかりしているし、多少馴染まないがそのうちちゃんと機動する様になるだろう。
「それで、主なんだけどね。」
話を聞いてビックリした。慌てて起き上がり主の元へと向かう。
そりゃそうだ。灼熱の炎の中焼けた鉄を素手で取るなんて、大火傷して当然だ！
「主！」
襖を開ける。
そこには長髪の女性が座っていた。
「え？･･･主？」
「あ！清光起きたんだ？記憶はどう？調子悪い所とかない？」
矢継ぎ早に質問されるが。声は主だけれど顔の前に紙が無いし、のっぺりしていない。
「清光？」
「俺は大丈夫！主は？ちゃんと見せて。」
顎を上げると右頬に大きなガーゼ、それから両手なんて全部が包帯でぐるぐる巻になっている。
「主、ごめんね･･･」
「そんな事はいいの、ちゃんと乾燥したら整形出来るし。
それより清光。」
「なに？」
「清光は凄く可愛いね。」
その言葉に涙が溢れて来てこう返した。
「主の方がもっと可愛いよ･･･」 ]]>
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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-05-30T00:44:24+09:00</dc:date>
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		<title>皆近侍になりたいんだよぉぉおおお！</title>

		<description>「今日の会議は、主が本丸から離れないよ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 「今日の会議は、主が本丸から離れないような対策だ。」
「何当たり前みたいに司会気取りしてんだ。」
「兼さん、とりあえず話しを聞いてみましょう。」
「そう言えば、主は最近新たな推しが増えてカルデアとCircleだけで無く、NRCとかの監督生にもなったそうだね。」
「そのバスケみたいな名前の場所が問題なんだ。何か本丸に戻って来てくれるような解決策は無いだろうか？」
「そう言えば、りずみっきしとかいう内容の物があったな。Circleもそうだし音楽的要素を取り入れたらいいんじゃーねーか？」
「和泉守にしては真っ当な意見だな。
確かにそうかもしれん、ノーツは押しやすいように燭台切になってもらおう。」
「えぇ？僕？！それは流石に辞めてくれないかな。」
「いや、決定だ。」
「なんでそうなるの！！」
「なんだ！楽しそうな会議をしているな。」
「三日月宗近。」
「音楽を使うか。ふむ、確かに主は興味を持ってくれるかも知れんが、著作権という物があるので既存の曲では金銭が発生することになるぞ。」
「そげんな事は許さんばい！」
「博多！」
「じゃあ、みゅ。とか言う連中から曲を借りる事も出来ないのか。」
「それじゃ、令呪とやらの召喚システムを作って絶対命令権を3つ作ってみてはどうだろうか？」
「それ、体の一部に浮き出るんだろ？オレ達全員の令呪が浮き出たら、主が刺青まみれになるぞ。
それに命令権なんて無くてもオレたちは主に従うしな。」
「じゃあ、どうすれば良いのか･･･」
「そういや主は主は一騎打ちのすくしょとやらを集めているから、皆が1人ずつ一騎打ちしていきゃいいんじゃねーか？」
「主は全員が脱ぐ事がお望みだと言うのか･･･」
「いや、誰もそんな事は言っておらぬ。」
「主がお望みとあれば！！」
「脱ぎましょうか？」
「話がややこしくなる！いや、意味合いでは合っているが！」
「そもそも長谷部君、僕は主の気持ちが離れていってるとは思わないよ。長谷部君の思い込みじゃないの？」
「そうですよ、時間は短くなっても一生懸命に本丸に来てくださってますよ？」
「･･･」
「ふむ、これは本丸から主の心が離れていってると言うより、長谷部自身が自分から主の心が離れていってると感じたのではないか？」
「てめぇ！オレ達を謀ったのか？！」
「違う！最近、和泉守や大倶利伽羅、御手杵の近侍が増えて俺が心許ないという訳では決してない！！」
「この野郎！」
「待て待て、長谷部は日頃主にこれ以上無いくらいに尽くしておる。
見返りを求めるのもこれまた心がある故。
みのがしてやれぃ。」
「三日月･･･っち、しょうがねぇな。」
「三日月宗近！ありがとう！！」
「長谷部よ、おぬしの気持ちはよく分かった。
主に進言してきてやろう。」
「三日月！！」
「少し待っておれ。」

「主命を言い渡します。
近侍を三日月宗近に致します。」
「「「「「あのクソジジイ！！！」」」」」 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-05-28T23:18:38+09:00</dc:date>
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		<title>一章 綺麗な青空。</title>

		<description>目覚めた時は病院だった。
傍には刑事さ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 目覚めた時は病院だった。
傍には刑事さんがいて、詳しく事情を話して身元を引き取る。保護者を呼び出してくれとの事だったが、ママは電話に出なかった。
他に頼る大人はいない。仕方ないとアイツを呼び出した。
慌てて来たのだろう、息を弾ませてやってきた。
刑事さんと共に部屋の外に出て話をしている。
経緯とか話してるんだろう。来てくれて助かった。
刑事さんがこちらへ来る。
「貴女の持っていたレコーダーが決定的な証拠になると思います。
後はナイフから指紋が出なければ罪に問われる事は無いと思います。」
じゃ、お大事に。と刑事さんが出ていく。
後ろにいる奴がこちらを睨んでいる。
「相手に会うなと言ったはずだが。」
「いや、こんな事になるとは思ってなかったから…」
「それ以前に約束を破っているのは誰だ。」
「それは、まぁ…ごめん。」
「でも、骨折だけで済んで良かったよ。」
「ナイフで顔でも切られてたら嫁に行けなくなるからな。」
「何？貰ってくれるんじゃ無かったの。」
「笑い話にするな。」
「はい…」
「で、相手の状態は？」
「今は意識不明の状態だそうだ。」
「そう。…ねぇ、ママは傷ついて無いかな？」
「それは分からねぇな。」
「受け止められるのかな？連絡がつかないから不安しかないの。」
「そのうち冷静になれるだろう。今はそっとしておいた方がいいだろ。」
「そうだよね…」
心配だけどそうするしか無いか。
「とりあえず、俺は一旦学校に帰るぞ。」
「慌てて来たからな。授業が終わったらまた来る。」
「はぁーい。」
じゃあ少し寝ていようかな？
そうして眠りについた。
少しすると、誰かの気配を感じた。
椅子に座ってる。アイツかな？と薄目を開けるとママだった。
泣いている。大丈夫だって伝えないと。
誰かが話し掛けている。アイツかな？
そう思いながらも又眠ってしまった。
起きるとアイツがいた。
「起きたか。」
「ママは…？」
「起きてたのか、事情を話して今相手の部屋に行っている。」
「後悔していたよ。自分のせいで傷つけてしまったと。」
「ママが？」
「色々あったが、やっぱり母親なんだろ。顔を真っ青にしていたぞ。」
「そっか、」
泣きそうになったので顔を手で覆う。
そっか、ママは私の心配をしてくれたんだ…
目頭が熱くなってくる。
「ちょっと外に出ててくれるかな？」
「…分かった。カーテンは閉めておくからな。」
「ありがと。」
涙が頬を伝う。
ずっと私を拒絶していた母親が、やっと受け入れてくれた。
これからは親子2人でやっと過ごす事ができるんだ。
「あ、どうも。」部屋の外で声が聞こえる。
ママが戻って来たのかもしれない。
「ママ、」
「何で！！」
胸元に鋭い痛みが走る。
「なんで！！」
続いてお腹。
「アンタのせいで私が全て失わないといけないのよ！！」
又胸。
ママがなにか鈍い光の、ナイフを持っている。
「アンタなんか産まなければ良かった。これ以上私から何か奪うくらいなら！」
アイツが駆けつけてママを止めようとしている。
あ、頬を切られた。綺麗な顔をしてるのに…
ママが完全に羽交い締めにされて、看護婦が駆けつけてる。
もう多分無理だよ。
「ママ…」ちゃんと見て…
「私はここに…」いるんだよ？
アイツに伝えたいけど、もう口が動かない…
お嫁さんになってあげても良かったって伝えたいのに…
ごめんね…

陽菜乃が最後に何を訴えたかったのかもう分からない。
喪主をするはずの母親は放棄して、男の元に通い続けている。
俺が親の力を借りて陽菜乃の喪主に名乗り出た。
そして、葬儀が終わり。納骨も終わり、陽菜乃の全ては無くなった。
この骨の欠片以外は。
俺は、学校の屋上に移動して陽菜乃の指定席に立つ。
俺が、教師を首になったとしても。
陽菜乃に嫌われてしまったとしても。
連れてどこかに行っていたら…
いや、そんな事は出来ない。
アイツの母親に対しての愛情を踏みにじる事が俺には出来ない。
幸せになれる結末は最初から用意されて無かったのだ。
「クソっ！なんで今日はこんなにも。」
こんなにも綺麗な青空なんだろうか。
やけにタバコが美味く感じた。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-05-24T21:59:13+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
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	<item rdf:about="https://tayura082.novel.wox.cc/entry14.html">
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		<title>一章 過去</title>

		<description>私が産まれた時、ママは私が育てられなく…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 私が産まれた時、ママは私が育てられなくなったらしい。
父親は、何とか一緒に子育てを試みたりしていたそうだが、抱くことさえも拒絶反応された。
イライラが募り、毎日叩かれる日々。
父はそれを見て、有名なカウンセラーに一緒に行く事を勧めた。
かなり遠くて電車で行かなければいけないけれど、迷子にならぬよう手を繋いでカウンセリングしてもらえば、改善するかも知れないと言う考えだった。
一月に１回、ママと手を繋いで行ったのを覚えてる。
終始無言だったが、夏の暑い日はアイスを二人で食べて、冬の寒い日はマフラーを巻き直してくれたのを覚えてる。
でも、何年かしてママが崩壊した。
私と向き合う事を強要されるのに疲れ果てて、外に男を作って帰ってこなくなった。
父はママと別れると。
一緒に来るかと尋ねたが断った。
私はずっと、ママの繋いだ冷たい手が忘れられずにいる。
ママは殆ど家には帰ってこなかった。
それでも、カウンセリングの日には絶対に帰ってきてくれていた。
私と向き合えない、私にどうしても興味が持てない病気なんだと、小学生で悟る。
それから、ママの言う通りにして与えられた物だけで生きていく術を学ぶ。
飢え死にしそうな時もあった。
でも、中学に上がる頃には身の回りの事が出来、ママに迷惑をかけないようになった。
多分、こうしていればママはいつか私に興味を持ってくれるはず。
最低限の生活費では、ママの望む物達は買えない。
ママは男の所から帰ってきてくれない。
なので、中学生でも雇ってくれる所を探してバイトを始めた。
高校に入る頃には、ママが何を求めているかも分かるようになってきた。
普通にメッセージを送って返信が来るようにまでなったが、時々幼い頃の記憶が蘇る…。
私は正気では無かった…生きていく為に、ママから愛を貰うそれ等の事しか考えられなくて、毎日生きる事がとても辛かった。
幼いとは言え、無知とは恐ろしい。
私はもう二度とそんな思いはしたくない。ママが離れて行くのが耐えられないから、ママと賭けをした。
ママが現在欲しいものを全て与える。
それが出来たら、一度だけでもいいから親子として向き合って欲しいと。
彼氏とは別れて私とずっと一緒に暮らして欲しいと。
その夢が今日叶った。
ママはちゃんと別れ話をしに行っている。
私と向き合う気にやっとなってくれた。
やっと、私だけのママになってくれる。

次の日の朝になってもママは帰ってきてくれなかった。
話し合いが続いているのかな…？
朝ごはんを作って待っていたが、私の登校時間には帰ってこなかった。
サボってもいいけど、それをしたらママの機嫌が悪くなる。
「電話してみよっか…」
呼出音は鳴るけど出る気配はない。
諦めて登校する事にした。
教室には向かわず屋上へ行く、授業を受ける気分にはならない。
「どうした？朝イチからサボりか？」
「アンタもサボってるじゃない。」
「俺はこの時間授業が無いだけだ。」
「それにしても、もっと幸せそうな顔をしてると思ったけど複雑そうな顔だな。」
「うん…ママが、別れ話をしに行ってから帰ってきてないの…」
「…そりゃ、心配だな。」
驚いた。コイツの事だからもっと別の考えを口にするかと思っていたけれど。
「…何となくは分かっているんだけどね。
認めたくは無かったんだよね…」
涙が溢れてくる。とめどなく流れ落ち、無機質なコンクリートを湿らせていく。
優しく抱きしめられる。
「…本当に信じていたんだけどな…
ママと2人だけで幸せに過ごせると…」
「もういい。」
「やっぱり私なんかママに迷惑かけるだけの存在なのかな…？」
「そんな事はない。それだったら毎月病院なんて行かねーよ。」
「でも、でも…」
私が泣き止むまで、ずっと頭を撫でてくれていた。
「…もうそろ離れてくれない？」
ひとしきり泣いて、もう落ち着いて来たから離れようとしてるんだけど、ガッチリとこうホールドされていて離れられない。
「遠慮しなくてもいいぞ？」
「いや、もういいって言ってるでしょ？」
「はいはい、分かったよ。」
コイツに弱みを見せたらこうなるって分かってても、いつも気を抜いてしまう。
「なぁ。」
またからかう気かと思っていたけど、顔を見たらいたく真剣な顔だった。
「今までは絶対に否定されるのが分かってたから言えなかった。」
「…なんの話？」
「落ち着いてよく聞け？陽菜ママの仕事はなんだか知ってるか？」
何言ってんのコイツ？
「どこかのレジだって言ってたけど？」
「ちゃんと調べてみたんだが、銀座のクラブで雇われママしてるんだよ。」
「えっ？…そんなはず…」
ほら、と写真を渡される。隠し撮りしたであろう写真は、煌びやからなドレスに包まれたママの姿だった。
「うそ…」
「一応、一流のクラブなんだよな。
そんな女性が娘にブランドのバッグねだるか？」
「私の気持ちを確かめる為だってー」
「じゃあ、今までに送ったブランド品を身につけているのを見た事があるか？」
ー！！
「多分…男に…」
「それ以上言わないで！！」
「私が…私が確かめてみる。」
「あのなぁ、相手の男がどんな奴かも知れないのにそんな危ない事させれる訳ないだろ？」
「分かった。相手の男とは接触しない。
ただ、ママに確認だけさせて…」
「…陽菜乃は、いつもなんで辛い事から逃げようとしないんだ？」
「えっ？」
「お前は辛い事から絶対に逃げないだろう？
俺なら逃げてるよ。凄いな。」
頭にポンと手を置かれた。
「そんな事はないよ。ーただ、もう過去から後悔したくないんだと思う。」
「そうか。もし何かあったらすぐに連絡しろよ！」
「ありがとう。」
笑顔でお礼を言って、踵を返す。
これからする事は決まっている。
先ずはママに電話しないと！
ポケットからスマホを取り出して、電話をかける。
「ママ、あのねー」

家に帰る。
玄関にはママの靴があった。
緊張するが、これからの私の一挙一動に未来がかかっている。
リビングのドアを開けてるとママが座っていた。
「…ママ？」
ビックリしてママがこちらを向く。
「あ、早かったわね。おかえりなさい。」
なんて、らしくない事を言う。
「ママ、別れられなかったんでしょ？」
「え、えぇ…私無しでは生きて行けないって…
本当に可哀想な人なの…」
「それで、陽菜には申し訳ないけど又新しいバッグー」
「そういう風に言われたの？」
ママは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに元に戻って
「陽菜と私があの人の事業を助けてあげたら、籍を入れてあなたの父親にもなってくれるって言ってるわ。」
ママの男はとことんクズらしい。
「私は会った事がないから、なんとも言えないかな？」
「もし、パパになるんだったら1度話してみたいから、電話教えて貰えるかな？
どんな人か分からないから、話だけでもしてみたいな。」
不自然が無いように、ありったけの作り笑いでママに笑いかける。
「そ、そう？陽菜がそう言ってくれたら嬉しいわ！
何だったら、直接会うようにセッティングしてもいいのよ？」
「ううん、それだとママも忙しいしその人も忙しいだろうから、まずお話してみたいな。」
「分かったわ。はい、これが連絡先よ。
新しいパパになるかも知れないんだから、くれぐれも礼儀正しくしてね。」
ママが笑顔で返事を促す。
吐き気を覚えながら、
「ママの大好きな人なんだから、当たり前じゃない」
と完璧な笑顔で答えていた。
部屋に籠り、その相手に電話をかける。
「もしもし、誰？」
「もしもし貴方のカノジョの娘ですけど！」
「俺に彼女なんて居ないんだけど？
何か勘違いしてない？」
ー！！！
コイツは、彼女なんていないって言った？
一気に血液が沸騰して頭に血が上る。
「アンタねぇ？！」
っいけない、このままだと話すら出来ない。
何度か深呼吸して冷静な声色で話しかける。
「沙耶の娘です。」
「あぁ、なんだこの間のバッグありがとうね。
お陰でいい値段で引き取って貰えたよ。」
っー！ダメだ、今は我慢だ。我慢しなくちゃいけない。
「そうですか、良かったです。それで、母の話だと私の父親になってくれるって聞いたので、お電話させて頂きました。」
「え？あ、ああそうだね。あの女の現状だと俺の仕事の運営資金に、足りなかったんだけど。」
私も一緒に稼いでくれるなら、籍を入れてもいいと抜かしやがった。
ダメだ…限界が近い。自分を抑えられる自信が無い。
必死で自分を抑えているとー
「えーと、名前分からないけど未来のパパとして娘の顔くらいは見ておきたいな。ビデオ通話にしてもいいかな？」
死んでもゴメンだが、声を作って
「はい、良いですよ！」と言って切り替える。
多少引きつってしまうが、笑顔で
「初めまして。」
と話しかける。想像していたよりも若く、完全にママの好みの顔をしていた。
「…あ、初めまして。ふーん。いやぁ、可愛い娘が出来て幸せだな。」
「ねぇ？親交を深める為にも、今度カラオケでも行かない？勿論奢らせてもらうよ。」
…そのお金はママのお金だろ！とは言えない。
アイツには止められたけど、この男と接触するのが私の目的だ。
「とても嬉しいです。是非！」
「じゃあ、3日後でもいいかな？」
「はい、予定空けておきます！」
約束は取り付けた。
しかしあそこまで最低だとは思わなかった…
多分、ママ以外にも女が居るはず。それを突きつけて、別れてもらう。
一筋縄ではいかないのはわかってる。でも、絶対に私とママの幸せな家庭を築く為には別れてもらわないと！

3日後、指定の場所でその男を待っていた。
「沙耶の娘さんかな？」
軽薄そうな男が車の鍵を片手に近寄ってくる。
今日は何があっても途中までは笑顔でいないといけない。
「初めまして、娘の陽菜乃と言います。」
「あ、俺は透。沙耶に似て美人だね。
さ、車に乗って！」
その男に着いていく。
…アイツと色違いの車だった。
アイツは親が買ったって言ってたけど、コイツは色んな女を泣かせてその金で買ったのだろうことがありありと分かる。
扉を開けて車に乗り込む。
コイツは何事も無かったかのように運転席に乗り込んで、車は走り出した。
 「カラオケでも行く？」
何が起こるか大体の想像がつく。が、2人きりになれるのはこちらにとっても都合が良かった。
「カラオケ大好きなんです。」
「そう、良かったよ。」
そして結構高級なカラオケBOXに入る。オーダーを頼んでリモコンを渡される。
それをとりあえず受け取って、オーダーが来るまで聞きたくも無いソイツの歌を聞いて待っていた。
ずらずらとドリンクからフード、デザートまで並べられる。
何一つ食べる気なんてしない。
「あれ？食べないの？歌も入っていないけど…」
「ぶっちゃけ言うけど、ママの事遊んでるよね？
金づるとしか思ってないのバレバレなんだけど。」
「はぁ？」相手の顔が引き攣る。
「他にも女いるのバレバレだし、全部バラされたく無かったら、ママと別れてくれる？」
男はそれを聞いて、大声で笑いだした。
「ガキの言うことより、俺の言う事の方を信用するのは分かってるから、脅しだか何だか知らないけど出直して来るんだな。」
「それでもそうだな。ババアの相手するのも疲れて来たからお前が俺の女になって貢げ、そしたら別れてやってもいい。そうだな、まだ若いから風俗に行ってもらうか。かなりの金になって一石二鳥だな。」
「…それは脅迫？」
「世間一般ではそう言うのかも知れないな。」
男が舌舐めずりする。
「…知ってる？『問うに落ちず。語るに落ちる』って。」
「何？」そう言って私を睨みつけようとするが、私が手に持っている物を見て顔面蒼白になる。
「全部録音したから。警察に持って行ったら面白い事になりそうなんだけど。」
よし、形勢逆……うそでしょ？
私は追い詰め過ぎたらしい、ソイツの手には折り畳みナイフが握られていた。
「警察なんかに行かれてたまるか。探偵ごっこはもう終わりだ。早くそのレコーダーを寄越せ。」
身の危険を感じた私はドアを開け、全速力で出口に向かって走り出す。
でも、向こうの方が早い…でも、もうすぐ階段！
それさえ降りれば！
「いい加減にしろ！このクソガキ！」
降りようとした時に肩を捕まれ2人で転がり落ちる。
痛っ！足がじんじんと凄く痛い。
上半身を起こすと、私の上に覆いかぶさってたソイツの腹から大量の血が流れている。
ナイフが…あ、あああ
「いやぁーーー！！」
物音と悲鳴を聞いて、人が駆けつけてくる。
「助け…！」
ダメだ意識が保たない…
いつの間にか気を失っていた。 ]]>
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