「山姥切国広じゃないか。何やら困った顔をしているがどうした?」
「あぁ、本家か。実は主がスーツを作ろうと言ってくださったのだが。」
「ほう、新しいスーツかいいじゃないか。」
「それがアル〇ーニにオーダーメイドで作ると言われてしまって・・・」
「ア〇マーニだと?!主は又無駄遣いするつもりなのか?」
「俺はもう写しを気にしていないので断ったんだが・・・」
「当然だ。それで主はどうした?」
「怒らせてしまったようだ。」
「子供か?!」
「靴もエド〇ードグリー〇のオーダーメイドを作るとまで言い出してしまって困ってるんだが・・・」
「ほんとうにしょうがない主だな。
どれ、俺が話をしてきてやろう。」
「そうか、ありがとう長義!」

「主、入るぞ!」
「・・・ちょぎか。」
「山姥切国広のスーツを作ろうとしてるらしいな。」
「そうなんだよね。でも断られた!」
「本物を着ても写しには変わりないし、安物を着ても付喪神には変わりないんだって!」
「そうか、いい事を言ったな。その言葉が真実だ。」
「ちょぎは新しいスーツ欲しくない?」
「・・・確かにくたびれてきたが、まだまだ着れるから結構だ。」
「ふーん。本家の刀がくたびれたスーツ・・・ハッ、様にならないね。」
「そ、そうかも知れないが・・・」
「ア〇マーニ着たくない?」
「ブ、ブランドで神格は左右される訳でも無いので、必要・・・無い。」
「いやぁ、山姥切の本家が着たらさぞや麗しくなるだろうねぇ・・・」
「シルエットが全く違うからね!」
「・・・主、そんなに違うのか?」
「着心地も違うだろうね。フィット感が良くなりすぎて戦闘も誉取りまくると思うよ。」
「そ、そうか・・・」
「そう言えば、内番の靴はニュー〇ランスだったよね?」
「そうだが。」
「履き心地はどう?」
「履きやすい。」
「畑仕事だとしても、やっぱり足に負担かけちゃいけないから、いい靴は持っとくべきだと思うよ?」
「そ、そんなにも差が出るのか。」
「差が出ないんだったら、陸上選手はわざわざメーカーの靴を履かないよね?」
「確かに一理ある・・・」
「でしょ?それをまんばちゃんは断ったの。
私としてはまんばちゃんもちょぎも強くなって欲しいから、勧めたんだけど残念だよ・・・」
「俺から、俺からもう一度山姥切国広に言ってみる。」
「そっか、じゃあまんばちゃんとちょぎとお揃いのブランドで揃えてみる?」
「写しと・・・いや、最近の活躍には目を見張るものがあるからな。主の為に2人で更に頑張れるように。」

「山姥切国広!」
「本家か。主には言ってくれたのか?」
「物には値段がついているが、安い高いだけでは無いと思うのだ。」
「いきなりどうした。」
「高いのには訳がある、それは機能性の良さだ!」
「それがどうした。」
「例えばお前は写しだが、国広1番の傑作だ。写しだけれど戦闘は一流だ。」
「何があった。煽てても何も出んぞ。」
「が、お前の格好はやはり地味だ。この際戦闘能力に合わせた格好と言うのもいいかも知れん。」
「俺の戦闘能力にあった格好か。俺はこのままでもいいが・・・」
「布がバサバサしてて邪魔だろう。」
「いや、慣れてきたが。」
「腕を垂直にあげてみろ。ほら、ここにシワがよってここが窮屈になるだろう。」
「戦闘にあった服を着るべきだ!」
「そんなおかしな角度で抜刀はしないが。」
「どんな角度で動かしても違和感のない服が必要だとは思わないか?」
「確かに、それはベストだと思うが・・・」
「流石にア〇マーニは行き過ぎだろう。」
「それは違うぞ、値段にあった着心地を提供しているからずっと愛されてるんだろう?」
「っ・・・一理あるな。」
「靴もそうだ。男も外反母趾を気にする時代だ。
足に異常があれば戦闘能力も落ちると言うもの。」
「俺達付喪神が外反母趾になるのか?」
「万全を期していた方がいい。」
「石橋を叩いて渡る精神か・・・理解は出来るな」
「納得してくれたか。では主の所に・・・」
「行かんでもよか!」
「クソっ!コイツが居たか!!」
「主から直接聞いたとね。」
「ちょぎごめん。」

「で、俺はダシにされそうになっていた訳だな。」
「山姥切国広、すまない。」
「謝らんでも良かとね。悪いのは主やけん。」
「でも、最近の仲良くなっていたからお揃い来て欲しかったのは、本当なんだよぉ。」
「そう言えば、最近本家は普通に話し掛けてくれるようになったな。」
「お前の働きをみていたら、写しだとか本家だとか気にならなくなっただけだ。」
「ね、ね!だからお揃いの靴位はダメ?」
「・・・俺の知ってる安いメーカーならよか。」
「えー!まんばちゃんとちょぎはブランドで固めたいのにー!」
「主!」
「すいません、黙ります。」
「じゃあ、この楽〇の中から選ぶと・・・」
「博多、いつもの人が来てるぞ。」
「薬研。いつもの人って?」
「な、なんでもなかばい!」
「薬研、すぐに帰って貰って・・・」
「主命です!会いに行く!!」

「どうも初めまして、いつも博多様にはお世話になっております。」
「「「いつも?お世話???」」」
「オーダーメイドで靴や服など作らせて貰っております。
これが名刺です。」
「「「BVL〇ARI?!!」」」
「博多ぁー!どういう事か説明してもらおうじゃない。
あれ?博多は」
「居ない。いつ逃げた!て言うか何処にも逃げられないからね!!」
「危ないところだったばい。ほとぼり冷めるまで修行でも出るしかなかとね。」
「博多ーーー!!」
「逃げるが勝ちたい!!」
それからしばらく博多藤四郎の姿を見たものはいなかったという。
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